〈コラム〉レストラン起業 あせらずに経営数字も考えて

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第61回

マンハッタンでレストラン起業を考えているという相談はどんどん増えています。最近では独特の雰囲気やアイデアを重視した居酒屋やカフェといった形態で出店しようとする傾向が見られます。自作料理が近所で評判、面白い店舗が作れそう、日本の接客サービスをマンハッタンで実現させたいなど、皆さんとても独特な発想でアイデアはいいのですが、具体的な経営の話しなるとよくわからないという方が多いです。

私の仕事のネットワークには、不動産業をしている友人もかなり多いのですが、やはり同じような形態で起業をしたいという相談が増えているようです。ただ、「店舗物件選びはよくわからないので全て任せます」といったいわゆるマル投げの要望も多いようで、どれくらいの家賃を出せるかを予算を出すために不動産屋さんから紹介を受けることも少なくありません。せっかく良いアイデアを持っていても資金不足で倒産してはもったいないです。

「困ったら仲の良い投資が貸してくれるだろう」、「たぶん今よりも景気がよくなるから大丈夫」など、楽観的な考えで計画を進めていると物事が思い通りに行かなかったときにどうしようもなくなります。成功している経営者は同じ事をいいます。計画するときは最悪の事態を考えてシビアに、そして、ビジネスが始まったら、心を楽観的に持つと物事がうまく行くといいます。計画時点で経営を数字で考えていくことは大切になります。それでは実際に成功している人がどういう数字を指標にしているかというと売り上げの見込みになります。

売り上げを変える条件の一つに立地条件があります。住宅地に店舗を構えるのであれば、月30日で考えることができますが、ビジネス街に構えるのであれば20日に考えたほうがよいでしょう。後は客単価も大切です。

例えば一日の売上予算を2000ドルに設定したとしても、それが客単価10ドルのお客さんが200人来ると見込んだのと、客単価100ドルのお客さんが20人しか来ないのとでは、お店の大きさ、食材の使い方から人件費やテーブルの数まで、お店の作り方がすべて変わってきます。まずは開業資金がいくら準備できるかが鍵となります。

自分の準備できる資金と理想のお店が作れる資金の差がなければいいのですが、もし不足している場合は、妥協して節約できるところ、もしくは資金を調達できるところのアイデアを考えなければいけません。皆さんの成功を祈ります。

(次回は3月第2週号掲載)

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〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。

ウェブwww.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ

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