むくみの原因と対策
〈コラム〉瓜阪美穂「理学療法士が教えます」 身体が痛い本当の理由 【第13回】
質問 足がむくみやすく、薄着の季節がやってきましたが、足を出す気になれません。血行を良くすればいいとか、運動すればいいとかよく聞きますが、むくみの本当の原因と、対策を教えてください。
回答 むくみの原因は実は簡単。「リンパが足に溜（た）まっているから」です。リンパはリンパ管を通って心臓に戻り循環して不要なものを汗や尿として排出します。ところがその循環機能が悪いと足にリンパが溜まりやすくなります。
例えばリンパが心臓に向かう通路の「渋滞」です。足からリンパを戻すための重要な交差点は「膝の裏」「前側にある脚の付け根（股関節）」と２カ所あります。リンパの交差点をマッサージして詰まりを取るだけでも、リンパは戻りやすくなります。さらにリンパを送り出すポンプが働いていない可能性も疑いましょう。筋肉を収縮するとポンプの代わりになるのでスクワットなど関節を大きく動かす運動がお勧めです。デスクワークで足を動かすことが少ない場合などは、30分に１回でも良いので、一度立ち上がって、10回ほど足踏みをしてみましょう。
むくみがひどい場合は重力の助けでリンパを流すことができます。寝る前に、床の上で仰向けになり、足を椅子に乗せて心臓より高い場所に置きます。その状態で15分複式呼吸を行ってから寝るだけでも変化があります。
※ひどい両足のむくみは心臓病と関連している場合もあるので専門家に相談してから行ってみましょう。
〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂（うりさか みほ） 理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
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