ゆき姐のHappyに生きまっしょい! 第21回目
明けましておめでとうございます。NYの皆さま、どんな年明けでございますか? 私は実家の名古屋で正月です。正月と言えばおせちにお雑煮。我が家も作りますよ、と言ってもおせちを作るのはほとんど姉ですが、田作り、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻、黒豆等々、重箱五段、しっかり上手に作ってくれます。私はもっぱらお雑煮係。うちのお雑煮はカツオと昆布のお出汁に醤油をちょっと入れて、鶏肉(やっぱり名古屋コーチンですね)、紅白のかまぼこ、餅菜、そして焼いてないお餅を入れて煮ます。お餅がドロッといい具合に柔らかくなって美味しいこと。(ちなみにこの餅菜は小松菜の一種で、「名(菜)を上げる」とかけて、お正月に縁起物として食べます)お雑煮は関西だと白味噌仕立てだったり、お餅も関東だと焼いてから入れたりと、その地域によってちょっとずつ違っていたりして楽しいですよね。
外国でもこういうことはあるようで、NYで友達になった日本人ママの典子さんは、オーストリア人の夫の故郷料理、シュニッツェルに使うパン粉が各家庭での手作りが多いらしく、オーストリアに住むお姑さんは息子からのリクエストで手作りのパン粉を冷凍してNYに送って来ると言っていました。コロンビアからNYに移住してきたマルタは、同じくコロンビアから移住してきた彼女の夫と、コロンビアの郷土料理エンパナダスの中に入れる肉のことでお互い譲れないのだと言っていました。二人は同じコロンビアでも生まれ育った地域が少し離れているそうで、エンパナダスに入れる、茹でてつぶしたジャガイモに混ぜる肉が、マルタはチキンを茹でて細かく裂いたもので、夫は牛肉のミンチだと言い張って、結局いつも二種類作るのだと言っていました。
ちなみにうちの夫は関西人なのでお雑煮は白みそ仕立てにする? と昔聞いたら、僕は餅が嫌いだからお雑煮も食べない、と言ったので、息子が生まれるまで夫にお雑煮は作りませんでした。でも今は息子がいますからね、私は名古屋の実家の味で息子にお雑煮を作っています。故郷の味は母の味。キャーッ、息子が結婚したら、お嫁さんと味でもめても、典子さんやマルタの夫たちのように母である私の味を優先してくれるのかしらん。と、正月から妄想母ですみませんが、今年もひとつよろしくお願いいたします。
(プロフィール)兵藤ゆき(ひょうどう ゆき)深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに、1982年テレビ界に進出。96年長男誕生後、夫の留学先であるNYで子育てを中心に生活。現在は、NYと日本を行き来し活動中。NYで見た参考になる子育てをまとめた本「子どもがのびのび育つ理由」など著書多数。新刊、NYでの英語体験を漫画とエッセーでまとめた「これで英語がちょっとできるようになりました。」(アスコム出版)も好評発売中。現在、テレビ、ラジオ、執筆などで活躍する傍ら、NYでの子育てや異文化体験の講演依頼も多数あり、全国に出向いて行っている。ストレスフリーをテーマにしたインナーなどのブランド「ゆきねえインク」を立ち上げ、デザイナーとしても活躍中。小学校英語準認定指導者資格、チャイルドコーチングアドバイザー資格、ペット介護士資格、各種洋裁正教員資格を有する。