体が答える〝重症肩こりの要因〟
整体パワーとは?
肩はなぜ凝るか? 体が正直に答えています。世の中で自分の生き様、意志、感情、思い入れなどが、周囲との関係(摩擦軋轢)の中で、体調として正直に体の部分に現れる、その場所が肩であるといったほうが分かりやすいです。
施術中は患者は下を向いているが、施術者が触れている患者の体は正直に告げています。体は、あなたが仕事を抱え込む人、我武者羅な仕事をする人、責任が強すぎる人、自信を無くした人、人間関係で苦しむ人、精神的に衰弱している人、ですと伝えています。勿論、具体的な諸事情ではなく心身状態です。優れた心身の整体施術家は、これを理解したうえで、体だけでなく、会話により心も解放していきます。
ロックフェラーセンターセンター、5番街の入り口に、地球儀を担ぐブロンズ像があります、相当辛そうだなと思うのですが、毎日がこのようでは体が病気になってしまいます。現実にはこういう人が多すぎます。
体の状態はストレスなどにより一時的に変化しますが、やがて良くなります。そんな時には、ハリ、マッサージ、指圧や入浴などは効果があります。
数カ月も長期継続する慢性/重症肩こりを持つ人は、首や肩の筋肉が慢性的に硬直して、辛くてあちこちの病院に行った、どんな治療をしてもすぐにまた痛みが戻る等の経験をしています。
首が傾いている、曲げると痛い、辛い等の症状に苦しむ人に共通するのは、骨格転位です。診ると左右の肩位置がズレ、肩の関節が捻転、その土台に立つ首(頸椎)が一方に引っ張られ、捻転していることが多いのです。首肩周囲の靭帯、筋肉群が突っ張り、首肩の骨格バランスを正常に戻そうと、一生懸命に頑張っている状態が、慢性の首肩筋肉の硬直の本当の姿です。根本的には、これを治さないといくら筋肉を緩めても良くなりません。注射(筋肉弛緩)や、ハリ、痛み止め薬などは一時的です。重症肩こり症状の人には整体治療で骨格を正常に戻すことが大切です。
【実際の事例】
Yさん(40代日本人女性、営業、IT関係):数年前から肩の痛みをダマシながらきた、がここ数週間は立っても座ってもいられず、仕事に手がつかないので来院。おまけに呼吸がしずらい、急に体重が増え、だるい等の症状もある。診ると左右の肩位置がずれ、右肩が捻転、頸椎が右側に引っ張られ、首の骨が隆起・捻転して、甲状腺機能を低下させていた。当然、周囲の筋肉はものすごく硬直していた。数度の整体で体のバランスが正常戻り、数年の首肩の痛みはなくなった。
Rさん(ユダヤ系米国女性、52歳、内科医):長年の頭痛、肩痛、呼吸困難があり、ウツ病で悩んでいた。頭痛は遺伝であると諦めていたが、友達の医師の紹介で来院。骨格の転位、背中(脊椎)の弯曲、後湾症、胸椎上部骨の乱列、首(頸椎)の転位が見られた。数回の治療で、体は軽くなり、呼吸が楽になる、ホルモンの係数が改善したと喜ばれた。勿論、頭痛は2度目の治療でなくなった。
(次回は5月第1週号掲載)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。