〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第25回

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お金の現実と習慣 管理できる「本当の大人」になりましょう

ある程度まとまった金額の買い物をするときや、まとまった現金が手元にないときに、クレジットカードは便利なので、ついつい多く使いがちです。送られてきたカードの利用明細を見て、「こんなにたくさん使ったのか!?」と驚くことが何度もありました。
お金がたまらない人ほど、自分のお金に無頓着といえます。自分が毎月どれだけの収入があり、いつ、どこで、何に、どれだけのお金を使ったのか? その結果、いま手元にどれだけのお金があるか? 預金通帳の残高がいくらで、今月は残りいくらで過ごさなければならないのか? こうした「お金の現実」を直視しないまま、「どうにかなるだろう」という甘い見通しやどんぶり勘定でお金のやりくりをしていくことになってしまうのです。
お金のムダ遣いを本気でやめるなら、まずはお金の状況をきちんと把握しておかなければならない…。そう考えた私は、ワラにもすがる思いで、家計簿でお金の使いみちを「記録する」ことからはじめました。
お金を目に見えるかたちで漏れなく記録することによって、私は、いままでは気づかなかった、あるいは気づこうとしなかった自分の「お金の現実」と「お金の習慣」がわかるようになりました。
「お金の現実」とは、家計のありのままの実態です。毎月の収入や支出、手元のお金や預金通帳の残高などの事実を、記録して把握することによって、具体的な金額がはっきり示されることで現実を直視できる力が身についてきます。その結果、お金の使い方に対して、合理的な判断がくだせるようになるのではないでしょうか?
また、「お金の習慣」とは、自分がお金を使うときの「無意識の傾向やクセ」のことです。たとえば、大きなお金が財布に入っているとムダ遣いをしてしまうなど、知らず知らずのうちに悪い「お金の習慣」が身についていることはありませんか?
子どものころだと、親にお金の面倒を見てもらえましたが、大人になれば、自分のお金をコントロールするのは自分自身です。みなさんもお金を記録することによって、自分を客観視し、この機会に改めて、見つめ直してみてくださいね。(次回は5月第1週号に掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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