「安売り」や「セール」 言葉の誘惑に負けていませんか?
「安売り」や「セール」という言葉には、なんだか抗いがたい魅力があります。私はこのような誘惑に弱く、つい「安いのであれば、買っちゃおうかな…」と心動かされたことは2度や3度ではありません。
熱気あふれるお店の会場に足を運ぶと、「せっかく来たのだから、ほかにも何か買おうかな」という気持ちが働き、ついで買いをする傾向が強くなるようです。
じつはセール、安売りでの買い物は、節約には必ずしも有効とはいえないのです。通常よりも安い値段とはいえ、その場の勢いやノリでお金を使ってしまうことになれば、節約をするつもりで行ったお店で意味のないムダ遣いをしてしまうことになります。
コンビニでお茶のペットボトルを買うつもりだったのに、並べられた商品を見ているうちに、あれもこれもと買ってしまったということは、ありませんか?
ムダな買い物をするつもりがなくても、1つ買い物をすることで心のハードルが徐々に低くなって、2つ、3つと、いつのまにか買い物をするのに抵抗がなくなってしまうというのが、私たち人間の心理なのではないでしょうか?
つい、なんとなくという気持ちで買い物をすることがなくなれば、気がつかないうちに浪費をしていた習慣がなくなり、節約効果はグンと高まります。もちろん、本当に必要なものだけに狙いを定めてセールに行くのであれば問題はありませんが、用がなければ店には行かないのがよさそうです。
皆さんも「安売り」や「セール」で買い物をされる際には、あくまで必要なものを必要な分だけ買うという意識を持つようにしてくださいね。
(次回は4月第1週号に掲載)
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac