相手のパフォーマンスもきちんと評価
自分の英会話を聞くときのポイントは、「自分と相手のパフォーマンスを公平に評価する」ということです。
最初はつい自分が発言した部分だけを聞いてしまい、「発音が悪い」「言いたいことが言えてない」「全然ダメ」と辛口の評価をしたくなります。でも、視点を変えて、会話の相手にどう伝わったかに着目してみると、結構ちゃんと伝わっていたりしませんか? また、会話相手のパフォーマンスもきちんと評価してください。たとえばネイティブでも、実際の会話では言いよどんだり、言い直したりを普通にしています。それらのすべてをいちいち修正して、完璧にする必要なんてありませんよね。逆に、相手のパフォーマンスに良いところがあったらどんどん盗みます。
聞き方を知れば、録音した会話を聞くことでどんなに多くの情報を得られるかがわかります。英語学習という意味では、これまでどんな学習をしてきて、どこができていて、どこが足りなくて、どうすると改善できそうか、というようなことが会話に現れているものです。コミュニケーションに関する自分の癖や思い込み、パターンなども見えてきます。私はこれを『英会話の人間ドック』と呼んでいます。
(次回は4月第1週号掲載)
〈筆者プロフィル〉 神谷えみ(かみや えみ) 国際コーチ連盟認定言語コーチ。英語教育学修士、コミュニケーション学修士。博士課程在学中。専門は第二言語習得、異文化間コミュニケーション、会話分析。英語学習法「コーチング・メソッド」開発。Kamiya English Coaching主宰。【ウェブ】englishcoaching.jp