〈コラム〉雇用に基づく外国人雇用資格認定書(Labor Certification)手続きについて

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2008年6月1日より米国労働局(DOL)は、外国人雇用資格認定書について新たな集中型申請プロセスシステムを導入しました。永住労働者資格認定申請(PERM)は6月1日以前、申請者の勤務地に基づいてアトランタプロセスセンターもしくはシカゴプロセスセンターに申請されていましたが、6月1日以降、全てのPERM申請は勤務地に関係なく、アトランタプロセスセンターに申請しなければなりません。よって、PERMプロセスに必須の採用手順の一つである内部掲示を変更しなければならない雇用主も出てくるでしょう。その内部掲示には、申請先であるDOLの住所を明記しなければなりません。6月1日以降に内部掲示を行う場合は、アトランタプロセスセンターの住所を記載する必要があります。シカゴプロセスセンターへ提出済みの申請に関しては、次のアトランタプロセスセンターの住所に申請してください。

U.S. Department of Labor
Employment & Training-
Administration Harris Tower
233 Peachtree Street,
Suite 410
Atlanta, GA 30303

6月1日以降、シカゴプロセスセンターでは一定期間、H―2AビザとH―2Bビザのケースのみを審査することになります。

 PERM監査

DOLは過去数カ月に渡り、無作為に選出されたケースと特 定の問題を抱えるケースを含め、更に多くのPERM申請を選出し、監査しています。この場合の「監査」とは、DOLが経済状態を監査するという意味ではなく、申請上記載されている職務条件が当該職業に適合するか否か、語学の必要性が的確に指摘されているか、また採用活動の結果やその他諸々を監査するということです。しかし当事務所では昨今、特にコンピュータ関連業を中心に、監査無しに承認されているケースを数々受け取っています。この現象がDOLの裁定が、より緩和されているという意味であることが望まれます。監査を受けたケースは、通常よりもプロセスに時間が掛かります。

08年7月EB3カテゴリー申請者の申請一時中止

米国国務省は外国人雇用認定書を申請した日付に基づき、永住権の最終申請が可能になる順番をビザ広報(Visa Bulletin)というリストに毎月掲載しています。7月のビザ広報によりますと、日本を含む全世界からのEB3カテゴリー申請者の永住権最終申請を08年7月1日より同年9月30日まで休止するとのことです。つまり同期間においては、EB3カテゴリー申請者は一切の永住権最終申請をすることができません。既に永住権の最終申請済みで承認を待っているケースについても同年10月1日辺りまでは保留となります。
EB3カテゴリーでの申請には、永住権申請のために少なくとも学士号を有する、もしくは2年間の経験・教育または訓練 を有することが条件となります。この申請は、修士号又はそれ以上の学位を有することを必須とするEB2カテゴリーの申請とは異なります。
現在、EB2カテゴリーでの永住権最終申請は可能です。つまり、現時点でEB2カテゴリー申請者に発行する永住権数に まだ余裕があるということです。一方、EB3カテゴリーでの永住権最終申請が過去数カ月間で殺到したため、本会計年度分の永住権は全て発行し尽くしてしまいした。EB3カテゴリーでの永住権最終申請は、同年10月1日辺りに再度可能となる見込みです。

I ― 140のプレミアム
プロセシングサービス再開

08年7月16日より米国移民局(USCIS)は、雇用に基づく永住権申請の過程であるI―140申請に、プレミアムプロセシングサービスを再開します。ただし申請者がH―1Bビザの期限を延長する場合のみです。「21世紀米国競争力条例」によると、I―140申請に承認が下りているケースに限り、6年間のH―1Bビザの期限を過ぎても、3年の期限延長が可能です。また同申請には、Hビザが60日以内に期限切れとなり、更なるHビザの期限延長を可能にするI―140申請の承認を必要としている申請者が対象となります。USCISは申請費用として1000ドルを請求し、15日以内の回答を保証しています。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
〈今週の執筆事務所〉リチャード・ニューマン法律事務所
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過去の一覧

(「WEEKLY Biz」2008年6月27日号掲載)

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