〈コラム〉ビザ関連の最新情報

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EADの2年間期限延長

米国移民局(USCIS)は、一部の労働許可申請者のステータスに順応するため、2年間有効の労働許 可証(EAD)の発行を始めました。EADが1年間有効になるか、もしくは2年間有効になるかの判断基準は、申請(I―765フォーム)が行われた時点で、申請者の永住権待ちの状態が〝Current〟であるかによる、とUSCISは確定しています。〝Current〟とは、永住権カテゴリーの審査が進行中で、永住権の発行が進んでいるという状態です。政府はカテゴリーが〝Current〟である申請者には、永住権が年内に付与されると予想し、1年間有効のEADを発行することにしています。一方で、永住権カテゴリーがいったん停止となった場合、USCISは2年間有効のEADを発行するとしています。雇用ベースの永住権申請に伴う、外国人労働者申請(I―140)が承認されたか否かも判断基準の1つです。2年間有効のEADを受領するには、I―140が承認されていなければなりません。承認されていない場合、移民局は1年間有効のEADしか発行しません。
また2007年8月以降、米国内での永住申請代金は1010ドルになりました。この料金には、EAD申請の延長を行うプロセス代金も含まれていますので、USCISは自身の労働負担を軽減するためにも、2年間有効の労働許可証を可能な限り発行することでしょう。

● SEVIS費用の値上げ

08年10月26日より、Student and Exchange Visitor Infor-mation System(SEVIS)の登録費用が値上がります。FビザとMビザの学生のSEVIS費用は、現行の100ドルから200ドルに、J―1ビザでの費用は180ドルになります。
米国教育機関と交換プログラムは、外国人留学生と交換訪問者の情報をSEVISのコンピュータシステムへ登録するよう義務付けられています。SEVISシステムへの登録は、SEVIS費用を支払う教育機関によって行われます。次のいずれかより3日以上前に支払わなければなりません。
①米国領事館または大使館でのビザ面接日
②F、M、Jいずれかの非移民ビザへのステータス変更申請日。F、M、J各ビザ申請者の扶養家族は、登録料を支払う必要がありません。
SEVISシステム登録料は、オンライン上(www.fmjfee.com)か、I―901フォームを利用して支払うことができます。
DV2010年移民ビザ抽選プログラムが、東部時間で10月2日午後 12時に開始されました。期限は、東部時間12月1日午後12時までとなっています。毎年、無作為のコンピュータによる抽選方式で、5万件の永住権を選出しています。応募期間内に米国国務省のサイト(www.dvlot tery.state.gov)から申請できます。書面による申請は受け付けていません。応募者はデジタル写真を提出することが義務付けられており、当選した応募者の配偶者や未婚で21歳未満の子供は、一緒に永住権を得ることができます。
応募は無料です。1人につき1件の申請しかできず、複数の申請は落選の対象となります。ただし、配偶者が別々に応募することは可能です。
当選した場合、永住権の申請方法を案内する正式文書が、郵送で応募者に届きます。永住権は、政府の10年会計年度中(09年10月1日から10年9月30日)に付与されます。応募条件は
①高等学校卒業以上の学歴がある
②過去5年間に2年以上の訓練を必要とされる職業で就労経験が2年ある―のいずれかです。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
〈今週の執筆事務所〉リチャード・ニューマン法律事務所
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2008年10月24日号掲載)

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