〈コラム〉不良債権買取プログラム

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H―1Bビザ申請雇用主への新規則

米国移民局(USCIS)と連邦準備制度(FRS)は、政府の緊急経済援助として企業が援助金を受けることのできる制度、不良債権買取プログラム(TARP)と、連邦準備法(FRA)第13条を発表しました。TARPまたはFRA第13条の経済援助を受ける企業には、新規従業員のH―1Bビザ申請の際、追加必要事項が定義されました。次の条件が挙げられています。
①H―1Bビザ申請を予定し採用した従業員と同じ職種で米国人を採用する努力を行ったことを証明すること
②同等のポジションへH―1Bビザ申請を予定している従業員を採用するために米国人従業員を解雇していないこと
TARP並びにFRA第13条の援助を受けている企業に対するH―1Bビザ申請の追加必要事項は、米国人労働者雇用法(EAWA)で述べられています。EAWAは2009年2月17日に実施され、2年後に満了となります。
H―1Bビザ申請の追加必要事項は既に雇用している従業員の延長申請や修正申請をする場合や、同じ雇用主のもとでステータスを変更する場合には不要です。
政府の手引によると、企業はFRA第13条援助の「受諾者」であり、FRSとの間で借用証書が取り交わされている必要があるとあります。さらに、この手引はいったん企業が援助金を返済するとH―1Bでの採用の制限が免除されるとなっています。
従って政府は最近、新規のH―1Bビザ申請に変更を設けました。I―129H情報収集フォーム(H―1B申請書の一部)には、雇用主がTARP援助の受諾者であるかを質問する項目があります。H―1B情報収集フォームはFRA第13条については質問していませんが、USCISは企業がTARPまたはFRA第13条の援助を受けている場合はTARPに関する質問にYESと回答するよう、要請しています。
また、新たなH―1B情報収集フォームはTARPやFRA13条の援助を受けている企業に制限の対象にならない申請(例えば、既存の企業で既に雇用されている従業員のH―1Bビザの修正延長や延長申請)についての手順は述べていません。USCISはこういった状況下の企業がH―1B情報収集フォームにTARPやFRA第13条の援助を受けていることを記載しなければならないとしています。申請書類のカバーレターにその旨を追記するか、追加のカバーレターにH―1B申請の制限に該当しない理由を述べる必要があるでしょう。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
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(「WEEKLY Biz」2009年4月17日号掲載)

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