2011年度永住権抽選プログラム
2011年度永住権抽選プログラムについて、米国国務省から発表がありました。応募期間は2009年10月2日(金)正午から同年11月30日(月)の間で、オンライン申請となります。申請書や手順についてはウェブサイト(www.dvlottery .state.gov)で入手できます。書面による申請は受け付けていません。
永住権は毎年、国務省がコンピューターを使用してランダムに抽選します。2011米国会計年度は米国への移民数が少ない国を中心に、最大で5万5000件の永住権が発行されます。日本は対象国です。当選者は10年の春ごろに当選通知を受け取ります。当選した場合、政府の案内に従い、ただちに書類などの準備を始めてください。
2011米国会計年度は10年10月1日から11年9月30日までです。同期間中にすべての永住権が発行されるわけではなく、何らかの理由で発行されないものや却下される場合もあります。
H―1B審査プログラム
H―1Bの雇用主の中には既に御存知の方もいらっしゃるはずですが、移民局(USCIS)の詐欺行為防止国家安全保障局(FDNS)の調査員が雇用現場に調査出張しています。このプログラムは、H―1Bビザ申請が正しく処理されたかを調査するために行われています。バーモントサービスセンターでは同プログラムの一環として、FDNSに約2万件のケースを依頼したことを発表しています。
調査員は通常、予告無しに訪れます。訪問先は雇用主の本社であったり、H―1Bビザ従業員の申請書類上に記載されている就業先であったりとさまざまです。同プログラムは一時的とはいえ、雇用主がH―1Bプログラムを順守しているかを調査するため、引き続き今後数カ月は調査出張が続くでしょう。
FDNSの調査員は、I―129の内容にある業種や従業員数などの情報を照合します。調査員は対象となる従業員のI―129の写しを携行し、申請書への署名人や人事担当者へインタビューをします。質問はそれぞれ、H―1Bビザ従業員のポジション、就業期間、また給与明細などについてです。従業員と直接面会することもあります。また、調査員は社内を見学し、会社が実在することの証明として写真撮影することもあります。
調査訪問は1時間以内で終了します。調査訪問は通常、I―129申請の審査が完了してから実施されますが、特に同じ雇用主の元でH―1Bビザの延長申請を行う場合などは審査中に行われる場合もあります。
当事務所でも、比較的大規模なクライアント企業からH―1Bビザに関する調査訪問があったと聞いています。雇用主にとって政府の訪問はとても気がかりなことですが、質問は適切かつ簡単なものであり、難しいものではありません。基本的にFDNSの調査員がするのは上述のような質問です。
よって、雇用主の皆様にはI―129申請書類の内容を十分に確認の上、ご署名いただきたいと存じます。調査員の訪問について事前に告知がある場合は、担当弁護士に立ち会いを依頼しておくのも良いでしょう。弁護士の立ち会いが不可能な場合には、訪問の際の質問事項やそれに対する返答などを記録として残しておいた方が良いでしょう。
また雇用主は、推測で質問に答えてはいけません。答えが不確かな場合は、調べた後に回答する旨を調査員に伝え、答えが明らかになったら迅速に報告してください。調査員の訪問中、不利になるような情報を提供してしまうと、申請の却下や取り消しの原因となるのでご注意ください。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
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(「WEEKLY Biz」2009年10月23日号掲載)