従来の非移民ビザ面接申請フォームDS―156、DS―157、DS―158は新規オンライン申請フォームDS―160へ変更されます。3月29日から在日米国大使館と領事館はKビザ(婚約者ビザ)を除くすべての非移民ビザ面接申請にDS―160を申請するよう告知しています。よって、同日以降にビザ面接を受ける方はこの新たなDS―160を申請してください。
最近、ビザ申請者の人たちからDS―160をオンラインで申請する際の入力の問題や遅延といったトラブルをよく聞きます。おそらく同時刻に各国の領事館や大使館からのアクセスが集中しているせいもあるでしょう。そして殺到する申請に対応しきれていないのでしょう。
米国国務省ではこういった問題を対処中ですが、ビザ申請にはいまだに遅れることが予想されます。
DS―160のサイト上での「時間切れ」による中断や、誤ってインターネットが切断されるといったトラブルによるデータの損失を避けるためにも、入力のたびに情報を保存することが重要です。
EB―1永住権申請への巡回裁判所規制
3月4日、第9巡回裁判所(在北カリフォルニア)は、移民局が「卓越能力保持者」である就労者が対象のEB―1カテゴリーでの永住権申請に対し、違法に任意の追加請求を課したとの判決を言い渡しました。それは「カザリアン対移民局」という裁判で、理論物理学者であるカザリアン氏が学術書において地域の反応の調査活動を怠ったという理由により、移民局が同氏の雇用による永住権申請を却下した、という内容です。裁判所は政府による法律の解釈が実際には法律上にも記述がなく、正当化され得ないと判断しました。これにより、今後移民局もワシントンの行政不服審査機関も法律上にはない追加請求を申請者へ課すことはできなくなりました。
今回の裁判所の判決により、移民局とは法律を順守する機関であるべきだと定義されました。また、移民局が法律を誤って解釈した多くのケースで追加請求を課している事実に対し、重要な判決ともいえます。
“新規事業”ビザ法案
ジョン・ケリー議員とリチャード・ルガー議員が議会で新しい法案について陳述しました。その“新規事業”ビザ法案の内容は次のとおりです。まず、一定条件を満たした米国籍のベンチャー企業投資家は外国籍起業家が米国で起業するのに十分な投資をします。その後、同起業家は新規事業ビザを取得し、合法に米国で事業を展開することが可能となります。この法案により米国での新会社や雇用が増え、新規事業への投資や投資家の増加に期待が持てます。
というのも、新たに急成長する企業は歴史的にも新規雇用の源となり、また米国の革新にもつながるからです。グーグル、ファイザー、インテル、ヤフー、デュポン、イーベイ、プロクター・アンド・ギャンブルといった企業は、そもそも移民が設立した新規企業だったのです。新規事業ビザが法案になった背景には、近年の米国査証法により外国籍新規事業者の米国進出が困難であるという事実があります。この現実が外国人起業家を米国外での起業に至らせ、米国は創造力豊かな事業家やそれに伴う職を失うという残念な結果を招いているのです。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
〈今週の執筆事務所〉リチャード・ニューマン法律事務所
500 Fifth Ave, Suite 3020, New York, NY 10110(bet 42nd & 43rd St)
Tel:212-986-0947
Fax:212-986-0921
E-mail:rnewman@richardnewmanlaw.com
Web:richardnewmanlaw.com
過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2010年3月27日号掲載)