〈コラム〉H―1Bビザ最新情報

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2012会計年度H―1Bビザの申請受け付けが4月1日に始まりました。移民局によると、4月7日時点で5900件の申請があったとのことです。ちなみに、2012会計年度は今年10月1日から翌年9月30日までです。よって、今月1日以降に申請し承認されたH―1Bビザは10月1日から就業可能です。

2012会計年度H―1Bビザ申請枠は、通常枠の6万5000件と別に米国修士号を持つ申請者には2万件が設定されています。さらにそれらとは別に、チリとシンガポール出身者へは6500件が割り当てられます。(チリとシンガポール出身者用枠の残数は6万5000件の枠数に充てられます)
雇用主はH―1Bビザ申請をする場合、候補者の学位に関連した職種を与えなければなりません。H―1Bビザはいわば「専門職」ビザです。よって、候補者は業務に関連した学位を取得していなければなりません。4年制大学の卒業単位であれば、米国内外いずれの教育機関でも構いません。また移民局は就労経験3年間を大学での1年間に置き換え、学歴と就労経験を組み合わせて4年制大学卒業に換算することも認めています。例えば、2年間の学歴(短期大学等)と専攻に関連した分野での6年間の就労経験がある場合や専攻と関連した分野での12年間の就労経験、といったケースが可能です。その他様々な組み合わせがあるでしょう。
申請には、I―129フォームと労働状況申請書(LCA)を提出してください。LCAとはオンラインで行われる労働局への申請で、予定の業務に関する賃金や労働条件を申告します。LCA上の賃金は労働局のオンラインに表示される賃金規定(OES)と同等か、それ以上でなければなりません。OES以外でも適切であれば他の賃金規定材料を使用しても構いません(労働局の賃金規定から給与を設定されるのが無難でしょう)。また、雇用主からは業務内容の詳細や候補者の卒業証書や成績表の写しと共に、いかに彼らが予定の業務に適しているかを述べた陳述書も必要です。移民局への申請代金は、基本の申請代金325ドル、詐欺防止費500ドル、トレーニング費1500ドル(ただし従業員が25人未満の企業は750ドル)の3点です。ただし法律上、詐欺防止費とトレーニング費は雇用主が支払うことになっています。
枠数制限に関係なくいつでも申請できるケースもあります。つまり、年中いつでも申請、就業開始が可能ということです。申請数が6万5000件の枠数に至っていない場合も該当します。その他、
①雇用主が非営利団体である
②雇用主が高等教育機関であり、非営利団体である(短大や4年制大学等)。
②は教育機関を兼ねた病院や目下移民局にて審査中であるが当座は許可されている機関等です。こういった雇用主はトレーニング費を支払う義務はありません。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は5月28日号掲載)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2011年4月23日号掲載)

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