〈コラム〉最新ビザ事情

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新規事業所L―1ビザ

この度移民局は、米国で事業開始から1年未満の外国企業の事業所を対象に「新規事業所L―1ビザ」を発行することになりました。必要条件として米国の事業所は外国企業または系列の個人や集団により株を半数以上所有、運営されていなければなりません。
申請条件は通常のL―1ビザとは異なります。まず、駐在員へ1年間の滞在期間が認められます。その後ビザ満了前に米国の事業所は移民局へ成長と発展の成果を報告し、L―1ビザの対象企業であることを証明します。例えば、幹部や役員を含め従業員が揃い、通常の業務を継続していること等です。条件を満たせば移民局は幹部や役員である従業員に対し、7年間まで特殊技能を有する従業員には5年間まで滞在期間を許可します。また、米国の事業所は新規事業に十分な空間を設けていることも証明しなければなりません。以前は事業所の賃貸契約書や事業所の存在を証明する書面等が必要でしたが、最近は伝達技術の発達により事実上の事務所でも認められています。このような場合、実際の事務所の存在が必要不可欠かどうかについて、移民局は業種や状況を考慮した上で決定するとしています。
また、駐在員はL―1ビザを申請するまで3年間継続し、幹部または役員として外国企業で就労している必要があります。更に、米国での職種については新規事業を管理する権限を持つ役職でなければなりません。1年の滞在期間内に米国での経営を支援し、監督すべき従業員を従える幹部や管理者のポジションを遂行することができなければなりません。
ビザ申請には、次のような補足書類を移民局へ提出します。
①事業の範囲や組織体系、財政指針といった米国での事業目標
②米国への投資額、駐在員への給与支払いや事業を行う財政力の証明
③親会社の組織体系
なお、駐在員が企業の所有者や主たる株主である場合には、米国での就労が一時的であり就労が終わり次第本国に戻るという証拠が必要です。

承認通知書(I―797)
送付の変更

移民局は各ビザ申請の承認通知書(I―797)の本状を代理人である弁護士ではなく、雇用主へ送付するよう方針を変更しました。通知書の本状には滞在許可証であるI―94が添付されています。今後、法律事務所では従来雇用主が受領していた通知書の写しの方を受け取ることになります。
安全性の理由からこのように変更されたようですが、通知上の誤記について弁護士が移民局へ訂正依頼する際通知書の写しには必要情報が記載されていないといった問題が考えられます。よって、雇用主は代理人弁護士へ通知書本状のコピーを提出しておいてください。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は11月26日号掲載)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2011年10月15日号掲載)

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