What’s The Big Rush?
何をそんなに急いでいるの?
ニューヨーカーと言えば、早口、早足で、イライラしがちで、常に慌ただしくしているイメージがあると思います。実際、長年このニューヨークに住んでいると、このイメージと重なる場面によく出くわします。マイカー通勤しているとなおさらこのことを実感します。乱暴で危険なドライバーも多く、信号が青になった途端、発進が少しでも遅れたら、すぐにクラクションを鳴らされることも多いです。そして私たちはそんな日常に慣れっこになっているようです。
昨日、車で通勤中に思わず心臓が縮むアクシデントがありました。ハイウエーを走行中、右側を走行中の車が急に私の前に車線変更をしてきました。急ブレーキをかけ同時に盛大なクラクションを鳴らし停止しました。運良く後方、左側レーンに他の車はいなかったので大きな事故になりませんでしたが、比較的すいているハイウエーをなぜそんなに急いでいるのか。よほどの急用でしょうか。どんな事情であれ、この危険なドライバーは取り返しのつかない事故を招いたのかもしれません。
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この事は口内ケアにも当てはまります。デンタルフロスの重要性を説明しても、多くの患者さんは「忙しくてやっている時間がありません」とおっしゃいます。そして丁寧なブラッシングのやり方を説明すると、「そんなに時間がかけられるかな?」とおっしゃる患者さんもいます。効果的なブラッシングをするとなると最低2分位は時間がかかりますと言うと「電動ブラシならもっと早くできますか?」と聞かれることもあります。
手早くブラッシングをする習慣がある方は注意が必要です。歯ブラシに圧をかけてゴシゴシ磨くやり方は歯茎を下げたり、歯のエナメル質を摩耗させる原因にもなります。それによりエナメル質の下の層、象牙質が露出すると知覚過敏になりやすくなります。そして象牙質はエナメル質より柔らかい層なので虫歯にもなりやすくなります。歯ブラシの毛の固さはソフト、もしくはエキストラソフトを使用しましょう。ブラッシングにどうしても力がかかる癖がある場合は、歯ブラシの毛をお湯で柔らかくして磨くことをお勧めします。電動ブラシは便利で効果的なブラッシングができますが、ほとんどのメーカーは2分ブラッシングのタイマーがついています。2分ブラッシングをぜひ試してみてください。ご自分のやり方がいかに急いでいるか分かるかもしれません。日常的に乱暴で急いでいる口内ケアは後に修復困難な歯と歯茎のダメージを与えるかもしれません! (次回は1月12日号掲載)(「WEEKLY Biz」2012年12月8日号掲載)
〈プロフィル〉Dr. Clara Lee ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデンス修了。13年以上に及ぶ臨床経験は一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care院長として古山医師と共に、多くの日本人患者さんを治療。Dentistryをこよなく愛している。記事提供:Waterside dental Care(Tel:212-683-6260)