入試の面接で心がけたいこと
言葉遣いやマナーの習得、親子での会話が重要
米国の学校では、いよいよ長い夏休みに入りました。この時期は日本へ帰国し、中学や高校の編入試験や大学の入学試験を受験する人も目立ちます。
帰国生の編入試験や入学試験において、必ずと言っていいほど課されるのが面接です。形式は、個人面接、グループ面接、親子面接などがありますが、学科試験では判断できない人柄、適性、意欲や目的意識などを見るために行われます。そのために面接官は、発言内容はもちろん、言葉遣いや姿勢、見た目の印象なども評価します。例えば、正しい敬語が使えるか、入退室や座っているときの姿勢、髪の毛や服装などもチェックします。
海外に生活していると、日本語で会話する機会が限られてしまいます。特に丁寧な言葉を使う必要がないために、敬語の使えない子どもが目立ちます。また、正しいお辞儀ができないとか、座っている姿勢が悪いという子どももいます。「お母さん」とか「おばあちゃん」と言ってしまったり、頭を下げると同時に両手もブランと下がってしまったり、座っているときに体が動いてしまったりするのです。また、わからないときに両肩をちょっと上げる仕草も奇異に見えます。
また、米国では小学生でも髪を染めたり、ピアスやマニキュアをすることもありますが、日本の学校ではあり得ないことです。私が日本で実施しているサマーキャンプでは公立学校での体験も組み込んでいますが、シャツのすそをズボンの中に入れなかったり、上の方のボタンをいくつか外したりする子どももいます。文化の違いが自然に出ているのですが、日本の風習に合わせるように指導しています。そんな点も面接時のチェックポイントになるでしょう。
なお、面接では多種多様な質問がされますが、志望動機、入学後の抱負、卒業後の進路についてはよく聞かれます。なぜこの学校に入りたいのか、入ってからどんな学校生活を送りたいのか、そして、どんな目標を持って学校生活に臨むのかという点は、面接官が一番知りたい点なのです。ここで受験生は、その学校に入学したいという目的意識や意欲を前面に打ち出さねばなりません。また、自己紹介や自分に対する質問は、自分をアピールする絶好の機会です。これらについて、面接官にわかりやすく説明ができるようにする練習が必要です。また、帰国生の場合は、海外での体験や海外から見た日本のことなども聞かれることが多いです。面接のあらゆる質問に答えるためには、日常的に親子で会話をすることが効果的なのです。
(次回は7月23日号掲載)(「WEEKLY Biz」2011年6月25日号掲載)
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