〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第7回

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男性の歯の健康状態を保つ大切さについて

男性は口腔癌、喉頭癌、歯周病にかかりやすい傾向

統計上、男性は女性と比較して、自分の健康管理を怠りやすい傾向にあるという結果が出ています。歯の管理においても同様のようです。
口内が健康であることは長生きにも繋がります。残念ながら、男性は歯の予防を怠り、歯の問題が起きて初めて歯医者を訪れるようです。男性が歯磨きをする回数は一日2回以下、そして72歳までに約5本の歯を失い、喫煙者であれば約12本の歯を失うという統計結果が出ています。しかも男性は口腔癌、喉頭癌、そして歯周病にかかりやすいようです。
では、歯周病とは何か説明しましょう。歯周病は歯の磨き残しが原因で歯垢が溜まり、それが歯の表面に歯石として固まります。歯石内の細菌から発生した酸が歯茎の炎症を起こし、歯を支えている歯茎の歯周組織を侵します。そのまま進行すると歯と歯茎の間に歯周ポケットという溝ができ、その中に歯周病菌が充満し、歯の病気が進んでいきます。歯周病の症状は、歯茎の出血や赤い腫れ、ひどい口臭、歯がぐらぐらしたり抜けたり、移動するなどが挙げられます。
薬物治療
男性は女性に比べて心臓発作になりやすく、血圧を正常に保つ薬に頼ることが多いです。これらの薬に使われている抗ヒスタミン剤や抗鬱剤は唾液の分泌を減少させるので、虫歯になる確率が高くなります。唾液は口腔内の細菌によってできる虫歯を防ぐ働きがあるからです。
喫煙による弊害
喫煙者は歯茎の病気や口腔癌になる確率が非常に高くなります。男性の発生率は女性の約2倍で、口腔癌の95%が40歳以上であると言われています。口腔癌が見つかるのは舌の表面、口腔底部、舌の裏側の後ろ、そして唇と歯茎の部分です。早期発見できなかった場合、口腔癌は急速に広がります。喫煙者は定期的に歯のクリーニングを行い、定期健診の際は口腔内が健康であるか、また口腔癌にかかっていないか検査してもらいましょう。
スポーツをする場合
もしあなたが激しいスポーツをするとしたら、口や歯に負担を与えている可能性があります。他人と接触するスポーツをしている場合は、歯を衝撃から守るためにマウスガードをはめることをお勧めします。
歯の健康状態を保つためには、一日2回フッ素入りの歯磨き粉で歯を磨き、フロスも毎日するようにしてください。歯科検診とクリーニングは年に2回受けることが好ましいです。歯ブラシは3カ月ごとに、あるいは病気の後はすぐに取り替えましょう。歯ブラシは家の中で最も湿度の高いバスルームに置いてあることが多いため、バクテリアが発生しやすいです。常に歯の予防を考えて、忙しくても自分の健康に注意しましょう。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

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