真のリーダーとは
前回は行動を起こすことの大切さについて書きました。
今回は実例をあげてそのことを説明し、真のリーダーの姿についてお話します。
自分の価値観を明確にして、それに沿った行動を起こすことが、自分の人生のリーダーになる第一歩であると申し上げてきました。つまり明確になった自分のBeingに沿って自ら舵をきるということです。
ご存知の方も多いかもしれませんが、大手商社I社の社長O氏の決断を取り上げてみましょう。O氏は「夜8時以降原則残業禁止」、「夜10時以降消灯」という実に大胆な決断をし、さらに朝8時までに出勤した場合は朝食が会社負担で食べられるという風にしました。その結果、従業員の士気が大いに高まり、特に女性社員には大好評と聞きました。コスト削減、売上げ増・利益増に繋がり、今や業界3位の地位を不動のものとしたようです。
この話から貴方はどんなメッセージを受け取りますか?
大手企業のリーダーとして社長はまず業績を上げることを第一に考えたと思われます。しかしO社長の決断の根本にあったものはなんでしょうか。社員一人一人の生活のクオリティーを向上することにより、仕事の場における士気高揚をはかろうとしたのではないでしょうか。夜8時に会社を出れば9時半頃には帰宅できます。今迄普段の夜にはあまりできなかった家での食事が出来、家族との会話の時間が増えます。或は8時過ぎからおしゃれなレストランで友達と楽しい時間を過ごすこともできます。
つまり社長自身が「自分の時間を大切にする」という価値観をもっているからこそ、それに沿ったアイデアが浮かびそれを実行に移したと考えられます。
あなたもこのようなトップリーダーがいる会社で働いてみたいと思いませんか。
リーダーの考えに共感し、そこから生まれる行動に賛同できればあなたの士気は上がりませんか。
これが見習うべきリーダーの一つの姿ではないでしょうか。
(次回は8月第3週号掲載)
〈プロフィル〉 罍 純介(もたい じゅんすけ) CPCC(Certified Professional Co-Active Coach)。YKK(株)、バンカース・トラスト銀行東京支店、NY本店でパートナー、マネージング・ディレクター、東京トレーディング責任者歴任。東海銀行NY支店を経てMotai Advisors, LLCを起業、Jun Motai Coachingのブランドでリーダーシップ・ライフコーチングに従事。金融最前線のトップディーラーから人に焦点を当てたコーチングの分野に転身。【ウェブ】www.junmotaicoaching.com