〈コラム〉Dr. 鈴木の病める者を癒やせ【第1回】

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糖尿病と診断されて(前半)

 第一に頭に入れておいてほしいことは、「糖尿病を治せる医者はいない」ということです。
沢山の名医は存在しても、いまだかつて「治した」という例はありません。今、世間で行われている治療法は、一般論として食事療法といわれるもの、即ちカロリー制限です。また、カロリーを燃焼させるための運動をしなさいというものです。重度の糖尿病とされた方はインシュリンの注射(または経口投与)が一生つきまとうことになります。
ご存知でしょうが、糖尿病は膵臓という腺が、程度の差こそあれ、インシュリンホルモンを分泌しなくなってしまった病気です。膵臓にはクロミウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などのミネラルが本来、必須です。といって膵臓が膵臓だけでひとり歩きしているわけでなく、いつも肝臓、脳下垂体、睾丸、リンパ腺とグループで機能を果たしているので、グループ全員の共同作業として、鉄分、硫黄、燐など多くのミネラル群が更に必要となってくるわけです。ここでまず確認しておきたいことは、総合的な多種類のミネラル群が糖尿病の人には豊富に必要だということです。
たとえば、カルシウム一つをみてもそうです。多くの人がカルシウムは骨や歯を丈夫にするという程度のことは知っています。しかし、カルシウムが筋肉の急な引きつりを静める力があるとか、環境汚染の中に生きるための重要な防禦力を持っていることなど誰ひとり知らないのが事実です。糖尿病の人が脚の引きつりが起きやすいのもそのせいです。
第二に考えてもらいたいことは、なぜ糖尿になるのか。なぜ、この病気が起きるのか? ということなのです。砂糖の摂りすぎ? 暴飲暴食? 生活の不規則? ストレス? 酒の飲み過ぎ? これらは、すべて的確な答えではありません。それほど単純ではないのです。衣・食・住のすべてにわたって、今、人間社会は歴史始まって以来の危機に突入しています。
衣はオムツや下着から始まって寝間着の類に至るまで石油化学で作られた化学合成繊維に包まれています。洗濯も太陽で干すことを止め乾燥機です。洗剤もまた化学洗剤です。靴下も、下着も化学繊維です。人体の機能にこれがどんな結果をもたらすか、考えたことがあるかということです。    (次回に続く)
(次回は8月第3週号掲載)

0719-eldersDr Suzuki Picture 〈プロフィル〉鈴木眞(すずき・まこと) 1935年生まれ。58年早稲田大学卒業。総合商社開発課長を経て日米合弁企業マーケティング担当取締役、日独合弁企業社長を歴任。のち脳血栓に倒れる。ゲリー・マーチン博士の指導によるビタミン・ミネラル投与法を実践して健康の回復に成功。米国ネーチャーズサンシャイン社日本代表などを務めた後、88年米国エルダース栄養科学研究所を設立して独自ブランド「M10-8」シリーズのサプリメントを開発。米国栄養薬理学界会員、栄養学博士(Ph.D in Metabolic Nutritional Science)。
【ウェブ】www.eldersinternational.org

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