腕が上がらなくなる? 〝悪くなった体は、必ず自分で回復できる〟(導院の信念)
腕が上がらなくなった! 首から肩にかけた筋肉が硬直する! 肩甲骨の周辺筋肉群がツッパリ痛む! という人が、最近多く来院されます。
いずれも、靴下やズボンが穿けない、着替えが出来ない、物を運べない、重い物を持ち上げられない、夜痛くて目が覚める、寝返りを打てない等の症状に苦しみます。今まで我慢をしてきたが、さすがに仕事にならない/社会生活に問題をきたすまでの重症になると、本人は痛みをこらえながら、各病院や施術院を訪ねることになります。さらに患者さん自身の判断で、カイロ、ハリに数週間、フィジカルセラピーに数カ月も通院したが治らない。多くの方が、当欄のコラムを読まれて、“どうも根本的な原因が違うのでは?”ということに気づかれて来院された人たちです。
患者さんから聞く、他病院での診断結果の多くは、腱炎(筋肉や腱の炎症)、凍結肩(五十肩)、石灰沈着症、で、多くの場合が注射やフィジカルセラピーに行くように指示されます。
腕が上がらないは、一般的に五十肩といわれますが、当院の経験上では、本当の原因は肩周辺筋群の硬直化に伴う肩関節転位です。肩関節は三つの骨、肩甲骨、鎖骨、腕(上腕骨)で形成され、これらの関係/連携が崩れると肩関節内狭窄、腱炎が起こり、痛みや腕が上がらない状態になってしまっています。従いまして、当院の施術としては、骨盤・脊椎調整、肩の位置調性、肩関節周辺筋肉/靭帯/腱の緩解指圧後、肩位置のバランス回復、肩関節の転位調整、首位置の転位調整等をします。
当院の信念は、“自分で悪くなっものは必ず自分で回復できる”に基づいた整体施術をします。以下は、そのような具体的な事例です。
【実際の例】 ABさん(62歳男性、イスラエル生まれ、投資調査会社社長)コンピューターに向かって仕事をする忙しいスケジュールの人で、会議では調査資料を読みながら椅子に座る。整形外科病院では肩周辺部の腱炎ということで診断されて以来、数カ月間フィジカルセラピーに通っていた。診ると、完全な凍結肩(五十肩)で肩周辺筋群の硬直し、しかも肩の関節が前方に突出(ズレ)可動性が極めて狭く、腕が上に上がらない状態。数回の施術で良くなった。
Mさん(50代男性、楽器製作専門家)首から肩への痛み/硬直があり、上腕が上がらない、楽器を腕で支えられず、仕事に支障をきたして苦しんでいた。病院では、腱炎と診断され、フィジカルセラピーに数週通院していた。症状は単なる腱炎や筋肉痛ではなく、肩関節そのもののに転位があった。腕が上がらないのは、①肩関節を形成している肩甲骨が前方に押し出され転位し、②鎖骨がずれ、さらに③肩周辺筋肉群や腱の硬直が可動範囲を狭めていた―のが原因。さらに肩関節がズレた根本原因は、仕事上からの骨盤転位と脊椎湾曲だった。これは今始まったことではなく、数十年経て蓄積された姿勢からもたらされていたものだった。
(次回は8月第1週号掲載)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。