米国大使館がスキル確認に書類を求めることも
E-2ビザは、米国内に相当額の投資を行った、日本人が所有するビジネスの米国拠点で働くためにやってくる従業員に向けて発給されるものです。E-2ビザは、(1)役員およびマネジャー、あるいは(2)不可欠/専門的な従業員として働く日本国籍の方に対して、発給が可能になります。
この記事では、上記(2)の、不可欠/専門的な従業員の資格要件について取り上げることにします。米国大使館あるいは領事館は、申請者がE-2ビザのカテゴリーの資格があるかどうかを決定するために、フォーリン・アフェアーズ・マニュアル(FAM)を利用することができます。具体的には、9FAM Section 402.9-7(C)の規制が、E-2ビザの分類を、米国における企業の効率的なオペレーションに不可欠なサービスを行う特別な資格のある従業員のためのものと述べています。それを証明するのは、企業側とその従業員である申請者です。
その方が不可欠な従業員としての資格があるかどうかの決定は、解釈の余地のあり得ない、いわゆるブライト・ラインのテストの機械的な適用によるものではありません。不可欠かどうかは、それぞれ個別のケースによって異なる特定の事実に基づいて評価されるものです。雇用者および申請者は、(a)具体的なスキルセットのニーズがあること、(b)そのスキルセットが専門的なものかどうか、そして、(c)その申請者がそのスキルセットを有しているかどうかを示さなければいけません。
その際には以下の点を含む事柄が考慮されることになります:
●そのスキルを会得するのに必要な経験およびトレーニング
●そうしたスキルを有している米国人労働者の有無
●そうした専門技術を発揮できる給与
●その専門分野における、その申請者の証明された専門技術の度合い
●その申請者が行う職務の機能
立ち上げあるいはトレーニングの目的:あるケースにおいては、普通のスキルを有している労働者が不可欠な従業員としての資格を得ることもあり得ます。それは、ほぼ必ず、新しい米国企業あるいは、新しい領域へと拡張する米国企業のための立ち上げやトレーニングの目的に必要とされる労働者を含むことになります。こうした状況の下では、そうした米国企業は、短期間普通のスキルを有する労働者を必要とします。その従業員はその不可欠さを、海外のオペレーションを知っていることに由来することになります。このような申告者を別にすると、不可欠な従業員が、その親会社で以前雇用されていたかどうかを問う要件はありません。不可欠かどうかは、その不可欠なスキルを必要とするビジネスのニーズと申請者がそうしたスキルを有していることに基づくものです。
不可欠さの持続性:その申請者はそうしたスキルが必要とされる期間の長さを規定しなくてはいけません。米国でのビジネスが続く限り必要とされるスキルもあるでしょう。また、立ち上げ時期など短期間必要とされるスキルもあり、その短期間後は米国での企業がその専門スキルのある米国人労働者をトレーニングすることもできるようになります。領事は以下の事柄を考慮することになります:
(1)製品改良、品質管理の継続的な開発など、その企業の長期的なニーズ、あるいはそうしたスキルが米国の労働市場で存在しない場合。
(2)短期的ニーズ:米国での企業は、米国内での企業の立ち上げ、製造、維持、補修機能の分野で雇用される米国人の技術者をトレーニングし、そして監督するために、短期間(即ち1年間ないし2年間)必要になるスキルが求められます。
米国大使館はスキルが不可欠なこと(業界筋、労働組織からのレターなどによる)、そしてその従業員のスキル(経験を示すレター、学位証明書、プロフェッショナルな証明書などによる)を確かめるために、書類を求めることもあります。
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(次回は3月第4週号掲載)
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