〈コラム〉米国移民局による指針:質問状と却下予定通知書に関する最新情報と最重要点について

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移民局の新たな権限など五つのポイントを紹介

2018年9月6日、CISオンブズマン事務所は18年の7月13日に米国移民局によって発行された質問状(通称RFE:Request for Evidence)と却下予定通知書(通称NOID:Notice of Intent to Deny)の最新情報に関する会議を開きました。以下がこの新指針に関する最新の追加情報となっています。

(1)この新指針により米国移民局は、未完全な申請書や法的根拠のない審査対象に値しない申請書に対し、移民局審査官は、最初の申請後、これまで行ってきたような追加情報や追加資料を要求する質問状や却下予定通知書を発行することなく申請書を却下出来る権限を持つようになります。目的は、最初の申請後に追加情報や追加資料が必要となる未完全、又は審査中の一時的なステイタス維持や就労許可等を目当てとする、また締め切りに間に合わせることを目的とするような申請の数を減量するため、とのことです。

この新指針の目的は申請者の潔白な間違いを罰したり、申請資格を満たすために必要な提出証拠書類を誤解し提出しそびれたことを罰することは目的とはしておりません。むしろ、適切な申請書の提出を奨励し、未完全の申請書や軽薄で審査の対象に値しないケースの数を減量することを重要目的としております。

(2)この新指針は18年9月11日に施行され、18年9月12日付、又はその日付以降に米国移民局に届いた申請書に対し、適用が開始されました。

18年9月12日よりも前に米国移民局により受領された申請書はこの新指針の対象外です。これらの申請書は、13年に施行された方針に基づいて審査されることになります。つまり、仮に米国移民局が9月12日よりも前に受領したケースの審査に1年以上かかる場合でも、13年施行の方針に従って審査されることを意味します。

(3)DACA(通称:Deferred Action for Childhood Arrivals:若年期に入国した不法移民の若者に対して強制退去処分を猶予する米国の移民政策)又は、DACA関連、亡命や難民関連の申請はこの新指針の対象外です。

(4)米国移民局は、自身のウェブサイトに、申請者を支援するための操作ツールとして、ビザ等の申請時に最初から必要とされる提出書類について、新しいリストを掲載し公に発表しました。

なお、この掲載は、あくまでも申請上の支援を目的としたものであり、この新リストは法律の変更や置き換え等を意味するものではありません。全ての申請書はこれまで通り、移民法に基づいて審査されます。

(5)この新指針はケース却下後のアピール(不服申し立て)の権利に対する影響また変更はありません。

移民局は、申請上、最初の申請段階から必要とされる証拠資料が提出されているケースにおいて、審査員がその証拠を審査し、もし追加資料や情報を必要とする場合、これまで通り、質問状を発行する可能性は十分あります。なお、移民局によるエラーに伴ってケースが却下された場合、ケースアピールをすることは可能であり、アピール自体、その手続き上のプロセスはこれまでと変更ありません。

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この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

(次回は12月第2週号掲載)

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