〈コラム〉East Side Accessプロジェクト

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LIRR鉄道利用客への福音、不動産市場も注目

タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第102回

グランドセントラルターミナル地下に35万平方フィートのロングアイランド鉄道(LIRR)ターミナルが2022年12月にオープンする予定です。LIRR鉄道の利用客への福音です。利用者は今後二つの終着駅を持つことになります。

06年末にメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティー(MTA)が率いる、予算110億ドルの通勤鉄道インフラプロジェクト建設が始まりました。MTAのスポークスマンによるとEast Side Accessプロジェクトは現在米国で進行中の最大の交通インフラプロジェクトの一つです。プロジェクトの大部分がクイーンズやグランドセントラルの地下で行われているためプロジェクトの全容は容易には分かりません。

毎日735本のLIRRを利用する30万人の利用者の生活を向上させるでしょう。現在平日に23万3000人がペンステーションを利用しています。East Side Accessプロジェクトが完成するとMTAは一日のグランドセントラルのLIRRの乗降客を16万2000人と見積もっています。

グランドセントラルLIRRターミナルの完成でペンステーションの渋滞緩和、グランドセントラルからJFK空港とラガーディア空港へのアクセスが改善されます。

プロジェクトはマンハッタン、クイーンズ、ブロンクスの複数のエリアで8マイルのトンネルと8本の新しい列車の線路を含みます。メインはグランドセントラルターミナルの地下の35万平方フィートのターミナルとコンコースです。将来のLIRR駅の中2階の床はパークアベニューの140フィート下、またはグランドセントラルの地下ダイニングコンコースの現在のレベルからさらに91フィート下になります。グランドセントラルLIRRターミナルには47のエスカレーター、22のエレベーター、25万平方フィートの商業スペースが含まれており利用者にとって列車待ちがはるかに楽しくなります。

プロジェクト予算110億ドルのうち10億ドルはアムトラックとLIRRに使用され、800本以上の列車の通過で最も忙しい列車交差点と考えられているクイーンズのハロルド連動システムを大幅にアップグレードするために使われます。新しい線路、信号、電源、最新の通信システムによって、この主要な電車ハブは新世代の通勤者や旅行者に便利で安全なサービスを提供することができます。

MTAはEast Side Accessプロジェクトが「ロングアイランドと東クイーンズの通勤者がマンハッタンの東側へ移動するのにかかる移動時間を劇的に短縮する」と述べています。

この巨大プロジェクトはニューヨーク市、特にマンハッタンのイーストサイドの不動産マーケットに注目に値する大きな影響を及ぼすことでしょう。

(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は9月第3週号掲載)

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