早急な売却希望のセラーの特徴とは
タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第103回
所有者がアパートを売却する理由や条件はさまざまです。大きな売却益を得られるケースのみを想定している投資家や、早急にキャッシュが必要なケースや、翌月に他州への転職が決まった所有者などさまざまです。数あるリスティングの中から早急に売却を希望しているセラーを見つけることができたらどうでしょう。バイヤーに有利な条件や掘り出し物が眠っているかもしれません。
複数度の提示価格のダウン
物件をマーケットに出したのち短期間に複数回の販売価格の低下が見られるケースがあります。セラーがバイヤーを見つけることができなかった際にはセラーには二つの選択肢があります。
一つは時間をかけて提示した販売価格のオファーを待つ、もう一つは価格を下げて速やかなバイヤーのオファーを促すことです。もし複数度の販売価格低下があればセラーは早急なクロージングを求めておりバイヤーにとって有利なオファーでも承諾する可能性が高いといえます。現在の提示価格がバイヤーの予算をオーバーしていたとしてもオファーを出す価値があります。
頻繁なオープンハウス
1週間に何度も何週間にもわたりオープンハウスの告知をしている販売物件にはいくつかの可能性があります。一つはバイヤーとブローカーが自由に内見できることを伝えたいセールスオフィスの思惑です。1人でも多くのバイヤーを引き付けたいセラーサイドの強い意欲です。新築物件のセールスオフィスには多数のユニットを早急に販売することが求められ、バイヤーにとって有利な条件が得られる可能性があります。逆に新築コンドで頻繁なオープンハウスや広告などの販促意欲が感じられない場合はすでにマーケットに強い需要があることが考えられ、バイヤーにとって有利な条件に譲歩させるのは難しいと考えられます。
セラーからの譲歩
所有者が売却初年度の不動産税やコモンチャージを支払うことを提案していたらそれは売却への高いモチベーションを示す明確なサインです。それは事実上の値下げでバイヤーの購入後の負担を軽減するだけでなく、より以上の好条件を引き出すチャンスがある兆しです。
結論として
セラーが意欲的だからといってどんなオファーも受け入れるわけではありません。セラーは許容範囲内最上のオファーを待ちわびており、バイヤーはその許容範囲の下限を見つけようとします。あなたは有能なブローカーと協力して意欲的なバイヤーを見つけ交渉を重ねてより有利な条件を引き出しましょう。
(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は10月第3週号掲載)
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