ヒマラヤ聖者、ライフマスター ヨグマタ相川圭子の変容への旅(46)
日々秋めいてまいりました。アメリカでは大統領選挙であわただしい気持ちも加わっていると思います。どんなリーダーがいいのか、国がどういうかじ取りをするのか、リーダーへの期待がかかるところです。アメリカは自由な国、何でも言える国、みんなが自由を求めて生きています。
一方、本当の自由とは、どういうものでしょう。誰もが常識的な考えにとらわれています。また親の教育、社会の教育、それに学校の先生から教えていただいたこと、それらを含めて自分の体験からの考えがあります。
こうしたいろいろな考えにすべての人は染められているのです。それが常識といわれるものでしょう。
お互いにどんなふうにかかわっていくのか、どんなコミュニケーションをとるのかも重要です。今、SNSやネットでつながることが多くなっています。情報化社会となり、地域社会とのつながりが薄くなり、またコロナ感染の影響で会社員も出社しないで、インターネットでつながり、多くの人が在宅勤務となりました。
こうした社会では何が大切なのでしょうか。皆のつながりが簡単にできるなかで機械に振り回されてはならないのです。欲の心で、心ない言葉や人を攻撃する言葉を発すると、一瞬にして拡散するのです。
この社会はみんなが作り出しているのです。自由といっても言いたいことを言うのではなく、もっと成熟した社会になっていかなければ、一瞬にしてエゴの言葉が飛び交い、それに染まっていく社会になります。そうとは知らずにみんな不注意に言いたい放題で毒を発しています。自分の思ったこと、発した言葉、行為は外に影響するばかりでなくやがて自分に還ってきます。
言いたいことを言う社会を作るのではなく、品のある社会になっていく必要があります。世界が平和になり、みんなの心が安らげる世の中になることを目ざすのです。
それが本当の自由なのです。ただ言いたいこと、やりたいことをやっても、それは単にエゴの満足です。エゴを超える生き方、真に成長する人間が100人に1人は現れないとならないのです。
セルフィッシュな欲望を満足させるのではなく、真理に気づいていくのです。ただ認めてもらいたいと思うのは、心の欲望です。命の望むことは自然なことであり、みんなが平和になることです。
このように気づくのが真の成長です。真の自由について、考えてみていただきたいのです。あなたの思いやりが、他の人の心に平和を呼び起こし、そこにあるのが本当の自由であることを悟ることが大切です。
(次回は11月14日号掲載)
〈筆者紹介〉
ヨグマタ 相川圭子(あいかわ・けいこ)
世界初の女性ヒマラヤ大聖者。標高5000メートルを超えるヒマラヤの秘境にて死を超える修行を重ね、神我一如に長い間とどまる最終段階のサマディに到達し、究極の真理を悟る。世界平和と真理の証明のためにインド各地で計18回公開サマディを行い、その偉業はインド中の尊敬を集める。2016年6月より3回国連本部で平和のスピーチを行う。現在、世界各国で法話と瞑想秘法伝授を行っている。17年4月よりTBSラジオにて生き方を語る。