10〜140人まで対応
リストランテ「ピッコロ・フィオーレ」
グランドセントラル駅から2ブロック半という好立地で9年間営業を続けるイタリア料理の「ピッコロ・フィオーレ(Piccolo Fiore)」。最大で140人のパーティーに対応できるほどの広さを誇る同店だが、まるで小さな隠れ家レストランのような家族経営の温かさが感じられるのが特徴。
孫が受け継ぐ祖父の思い
店を立ち上げたのは、今年1月エグゼクティブ・シェフに就任したダニエル・マラコビックさんの祖父、ニック・マラコビックさん。1960年にイタリアから渡米したニックさんは、自分のレストランを持つことを夢に工事現場で働き始め、建設会社を作って資金をためた後、同店をスタートさせた。店名はニックさんの好きだった歌の名前から。ニックさんが亡くなった今は、妻と息子が経営を担い、孫がエグゼクティブ・シェフに。準備中の店内からはスタッフのキビキビした動きと共に、楽しそうな笑い声が聞こえて、親しみやすさとおもてなしの質が高いレベルで保たれていることを感じる。
ダニエルさんは、子供のころから飲食業に関わることが夢だった。イタリアでの修業や、寿司(すし)レストランでの修業などを経て、祖父が立ち上げた店に、ついに今年から立てることが心からうれしいと話す。
伝統料理を若い感覚でアレンジ
メニューにはイタリアの伝統料理を保ちつつ、ダニエルさんの若い感覚と各国料理経験を生かした新しいメニューも取り入れる。前菜で人気なのは3種の異なるモッツァレラ・チーズをお試しできる「モッツァレラ・テイスティング」(18ドル)。ニュージャージーの契約農家から仕入れたチーズにトマト、バジル、オリーブ、ペッパーを添えて。サラミ(16ドル)とプロシュート(18ドル)も人気。これらはアストリアの専門店から仕入れており、2年熟成の深みのある味わいが特徴で「ワイン好きにはたまらないおつまみになりますよ」とダニエルさん。
メーンのお勧めはイタリアの名物料理スズキのオーブン焼き「ブランジーノ」(36ドル)。焼きの手法を研究しつくし、ジューシーさを保ったままテーブルへ。ローストガーリック、フレッシュタイム、オリーブオイルなどで味付けし、塩こしょうとレモンでさっぱり仕上げた一品。テーブルで骨を取ってからサーブしてくれる。
パスタならハウス・スペシャリティの仔牛のラグーパスタ「フェトチーネ・ニコラ」(24ドル)を。シイタケ、ポルトベーロ、クリミニという3種のきのこを混ぜ込み、バジルの風味とクリームのコクを隠し味に。仕上げにトリュフを掛けていただく。
デザートのお勧めは、焼かないチーズケーキをヘーゼルナッツチョコ味で仕上げた「ヌテラ」(10ドル)。自家製ビスコッティのクラッシュが使われている。
大小のパーティーに適応
同店はビジネスランチやパーティーに対応できるレイアウトなのも特徴で、入り口右に16人、左に10人が着席できる小上がりスペースがある。大規模なパーティーの場合はドリンクスペースとして使用されるこれらの部屋には壁いっぱいに花が描かれ、鮮やか。メーンルームは可動式の仕切りを用いて20~30人のパーティーから100人超えの集まりにも対応可。ピアノもあり演奏者を入れたイベントにも対応可能だ。
「ケータリングを実施することもよくあります。パーティー料理にはまた違った楽しみがありますね。普段のお食事から特別な夜まで、いつでもいらしてください」(ダニエルさん)
◎情報
Piccolo Fiore
【住所】230 E 44th St(bet 2nd & 3rd Ave), NYC
【電話】212-922-0581
【営業時間】月―金 正午〜午後3時、午後5時~(ラストオーダー9時15分)、土・日 午後5時~(ラストオーダー9時15分)
(2016年7月16日号掲載)