代表のゲイジさん、現地経験生かし相互補助ビジネス考案
ブルックリン発 オーガニック・ティー・ドリンク 「RUNA」(1)
体に良く、元気が出る飲み物を飲むことで、アマゾンの農家の収入を支えることができたら…。そんな理想を形にしてしまった法人がブルックリンにある。飲料メーカー「RUNA(ルナ)」とアマゾン熱帯雨林の保全活動を行う関連の非営利団体「ルナ・ファンデーション」がそれだ。
100年以上愛されるお茶
エクアドルの熱帯雨林に住む人々が、一日中狩猟を続けられる体力を保つために100年以上飲み続けているお茶「ガユーサ」。抗酸化作用は緑茶の2倍、コーヒーに匹敵するカフェインを含有するものの、コーヒーよりもゆるやかに長時間掛けて効果を表すとされるこのガユーサは、一日中戦い続ける都会の人々の暮らしにもぴったり。この葉を使ったティー・ドリンクを作ることで、都会の人々の健康を支え、アマゾン農家の収入にも貢献できるのではないかと考えたのが、同社代表のタイラー・ゲイジさんと最高執行責任者(COO)のダニエル・セガールさん。現在、米国内の1万軒を超える店舗で、同社の商品が取り扱われている。
契約農家は3000軒以上
「目標は、利益を上げることではないのです」と話すゲイジさん。現地エクアドルの人々の生活を豊かにすることが同社のミッションだ。同社が現在契約している農家は3000軒以上。茶葉を年間100万ポンド(約45万キロ)仕入れる。フェアトレードでの貿易にこだわり、利益の10%を現地に返しているため、現地農家はトータル約40万ドルの収入を得ることになる計算だ。
「アマゾンの農家も、最近では近代化が進んでいて、子供たちに教育を与えたい。そしてそのためには通貨がいる。物々交換で暮らしていけた時代はもう終わっており、人間らしい暮らしをするためには貨幣経済に関与していく必要があるのです。以前は木材の伐採が農家の主な収入源でしたが、家族を養える十分な収入を得ることは非常に難しい状況でした」
アマゾンの熱帯雨林の中で数年を過ごした経験を持つゲイジさん。茶葉や農業プラント、現地での生活について深い知識もある。油田などに出稼ぎに行きながら、必死で家族を支える人々と共に暮らしたことが、この相互補助的なビジネスをひらめく大きなきっかけとなった。
苦味がなく飲みやすい
茶葉「ガユーサ」には、お茶の苦味を生み出す「テアニン」が含まれておらず、また甘味料がなくても微量の甘みが感じられるのも特徴。シュガーレス飲料・微糖飲料として仕上げても十分においしく、健康効果の高い飲料を開発しやすい。
同社では現在、「ガユーサ」にミントなどを加えたティーバッグ、フルーツのフレーバーを加えたティードリンク、炭酸を加え2倍のカフェイン量を含有するエナジードリンクの3種類を「RUNA」という商品名で販売している。全ての商品がオーガニックだ。次回(本紙10月1日号)はこれらドリンクの味わいと健康効果に迫る。
飲料メーカー「RUNA」
【ウェブ】runa.org/
同社飲料はWHOLE FOODS MARKET、Fairway Market、DEAN & DELUCA、Gourmet Garage、Chop’tなど健康食品を扱う店舗で取り扱われている。Amazon.comでの取り扱いも。
試飲会@KATAGIRI |
10月4日(火)、5日(水)午前11時〜 ニューヨークのスーパー、KATAGIRIでの試飲会を実施する。無料でRUNA飲料の味を体験することができる。 |
(2016年9月24日号掲載)