〈インタビュー〉マルコメUSA 青木秀太社長に聞く

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「Miso Soup」でなく味噌を米国市場に浸透させたい

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青木秀太・マルコメUSA社長

和食文化が世界に広がりを見せつつある昨今、和食の基本調味料の一つである味噌(みそ)にも注目が集まっている。和食ブームという追い風の中で米国市場において、味噌をどのように広めていくのか、その展望や思いをマルコメUSA社長の青木秀太氏に伺った。
◇ ◇ ◇
―米国で特に人気の商品を教えてください。
青木社長:液味噌と呼んでいるボトルタイプの液体味噌が人気です。通常の味噌よりもすぐに溶ける上、出汁(だし)入りなので、一度使用すると通常の味噌に戻れないという反響が多い人気商品です。レストランで飲んだ味噌汁がおいしかったので味噌を購入して作ってみたが、どうしても同じ味にならない、という反響が米国人からは多いのですが、実は出汁を取っていないことがほとんどなのです。忙しいニューヨークの方々に、レストランと同じクオリティーの味噌汁を家庭でも作れることを広めていくために最適な商品と考えています。また、(うま味成分である)MSG(グルタミン酸ナトリウム)不使用、遺伝子組み換え大豆不使用、グルテンフリー、オーガニック大豆使用など米国人が気に掛ける認証を率先して取得し、ヘルシーな食材としての認知度を上げていく計画です。液味噌は西海岸では、ナチュラル系から一般のグローサリーストア・チェーンにまで浸透してきたので、東海岸での展開も狙っています。
―米国市場を意識して開発した商品もあるのでしょうか。
青木社長:「Miso Soup Dispenser」という名の味噌汁自動製造機を業務用に開発しました。正しい分量の新鮮な味噌が毎回ディスペンサーから出てくるため、味噌について知識が無いスタッフでもおいしい味噌汁を作ることができます。時間が経つと風味が落ちてしまう味噌汁は従来、一日に何度も作りなおしをする必要がありましたが、その労働力・人件費を削減することもできるため、売り上げが伸びています。
―今後の展望をお聞かせください。
青木社長:「Miso Soup」は知っていて飲んだことがあるが、味噌自体を知らない・見たことがない米国人が多く、味噌が健康にどう良いのかも知らない方が多いのが現状です。まずは味噌汁は家庭で作れることを広め、次に、味噌を使った他の料理・レシピなども紹介していき、味噌がもっと浸透していけばうれしいですね。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年7月4日号掲載)

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