〈Topic〉NY タイムズスクエアでアジア食文化を広める

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「Taste Asia / Times Square Food Fest」

脇屋シェフとブーレイシェフが調理実演

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イベントに集まった大勢の見物客=6月26日、ニューヨーク(撮影:鈴木貴浩)

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脇屋友詞シェフによるデモンストレーション=同

アジア食文化のフェスティバル「Taste Asia 2015」によるイベントの一つ「Taste Asia / Times Square Food Fest」が6月26日と27日の2日間、ニューヨークのタイムズスクエアで実施された。同イベントは、7年前にマンハッタンの一レストランで国際的な中華料理のコンペティションを行ったのを始まりに、年々規模を拡大し、42〜43丁目の1ブロックで行う大規模なフェスティバルに成長した。
同イベントではアジアの食文化とアジア料理に影響を受けたフュージョン料理にスポットを当て、有名シェフによる調理のデモンストレーションや、レクチャー、アジア料理レストランのコンテストなど、多彩な催しが開催された。
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調理デモンストレーションには、日本から中華の鉄人、脇屋友詞(わきや・ゆうじ)シェフが、ニューヨークの料理界からは、和食の要素を取り入れたフランス料理で世界の美食家を魅了するデビッド・ブーレイシェフが参加。ブーレイシェフは、葛(くず)や昆布、豆乳など日本食材の使用方法を観衆に披露、ガラスの器を用いた夏らしい繊細な一品をその場で完成させた。脇屋シェフは自身が料理長を勤めるKOA restaurant(12 W 21st St, www.koanyc.com)の人気料理「ヒーヒーアーヒー・チキン」と「ソイ・ミルク・ダンダン・ソルバ」を、使用食材を一つ一つ披露し、実況をしながら調理し、タイムズスクエアを埋め尽くした多数の観衆を沸かせた。
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デモンストレーション終了後、脇屋シェフは、ラーメンブームがますます盛り上がるニューヨークでヌードルのデモンストレーションを行ったことに対し「スープ一つをとっても、5~6時間掛けてガラスープを取った上で、さらに昆布や帆立て貝柱、干しエビなどを使って深みのある味わいに仕上げていることなどを実況で伝えながら調理ができたことは貴重な体験。世界一の情報発信地であるニューヨークの方々に日本の味が持つ良さを伝えることができ、心から光栄に思う」と語り、笑顔を見せた。

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脇屋シェフ(左)とデビッド・ブーレイシェフ(右)=同

また、ブーレイシェフは、和食への敬意をあらためて語った上で「新鮮な食材がより手に入りやすくなり、日本の食文化をニューヨークで広める好機が今後はより多くなっていくだろう」と話した。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年7月4日号掲載)

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