導入のメリットは?/売電できる?/補助金について教えて/有効活用法は?
■自宅に導入 Q&A
再生可能エネルギーによる発電方法として、世界で注目されている太陽光発電システム。近年、需要量は急速に増加し、2015年での全世界の需要は日本が2位、米国が3位だという。しかし、それでもまだ、実際に自宅に同システムを導入することに関して、身近に感じられない人も多いかもしれない。また、今なら米国政府からの補助金が適用されるなど知っておきたい情報もある。そこで日本の大手太陽光発電メーカー、三菱電機のマーケティングマネジャー・毛塚義正さんに、企業や個人で導入する太陽光発電システムについて話を伺い4回にわたって掲載する。第1回は個人宅に導入する場合のメリットなどQ&A形式で紹介する。 (次回は9月号掲載)
Q 「太陽光発電システム」を自宅に導入するメリットとは。
A 一番は、電気代を大幅に削減できることです。屋根に設置したパネルによる遮熱効果で冷房費削減効果もあります。もちろんエネルギー・環境問題の解決に貢献できることもいいですね。
Q どのように電気代を削減できますか。
A 自宅の屋根などに太陽光パネルを設置して発電し、日々の電気使用量をその発電で賄います。電力会社の電気を使う必要がないので、月々の電気代が削減できます。設置にかかる投資額は、2万5000ドル(システムサイズ:6キロワット)くらいから。電気使用量、発電システムの大きさ、地域の日照時間などによりますが、ニューヨーク州やニュージャージー州にお住まいなら8~9年くらいで投資分は回収できるでしょう。
Q 発電した電気が余った場合はどうなりますか。売電できますか。
A 基本は通常使っている電気使用量に合わせてシステムサイズを提案しておりますので、余剰分が出ないようにしております。電気使用量以上の発電システムを導入すれば、余剰分を販売することはできますが、日本のように売電の販売レートが高くなく、通常使用よりも安いレートとなり、メリットがないためにお勧めしておりません。
Q 米国政府の補助金とその期限は。
A Investment Tax Credit(ITC)によって施工費用の30%が税金から還付されます。ただ、対象は2016年12月末までに施工を完了する必要があります。ご相談を受けてから、各種申請手続きを経て工事を完成するまでに2〜3カ月かかるため、早めにご相談を始めることをお勧めします。
Q そのほかに再生した電力の有効活用法はありますか。
A 主に東海岸で「Solar Renewable Energy Certificates(SRECs)」(srectrade.com)というシステムがあり、発電した電気(再生エネルギー)の発電実績を収集会社を介して州の電力会社に売るプログラムがあります。(電力会社は政府より一定の発電を再生可能エネルギーにて賄うように義務化されているため、このような需要が成り立ちます)。SRECsの価格は需要に応じ変動するため、株の売買に似たところがあります。
Q どういったトラブルがありますか。
A 近年、パネルの不具合による発電不良などが報告されています。製造品質における信頼性の高い日本製のパネルを使用する施工業者へ相談することをお勧めします。
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(2015年7月18日号掲載)