〈特集〉 ディスコ インターナショナル 留学生の海外での就職:可能性とリスク

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0726-14men-FE054留学生活も終わりに近づくと、そのまま米国に残り就職するのか、はたまた帰国して日本で就職をするのかという大きな決断が迫られる時がくる。日英バイリンガルの就職・転職を支援するディスコ インターナショナル(社長/夏井丈俊)のウェブサイトでは、留学生に向けて海外で働くという重要な決断をするにあたって「知っておくべきこと」「考えるべきこと」を上げている。“綿密な計画立てと情報収集力、そして高い意識が成功のカギを握る”とうたう、就職・転職プロフェッショナルが発信する情報を紹介したい。

こんな理由で大丈夫?

 海外での就職を望む人に「なぜ海外で働きたいのか?」と聞いてみると、意外と曖昧な理由や動機を挙げる人が少なくないという。しかし、自分の目指す方向性をしっかりと把握し、強い意志を持ち、自分の将来にプラスになるような選択をすることが重要となる。卒業後、海外で就職するに至る理由はそれぞれ異なる。
米国では、大学卒業後1年間OPT(Optional Practical Training)の制度を利用して実社会での経験を積むことができる。OPTは、海外で就職するための足掛かりといえる。一方で、OPT終了後に帰国を決めている人には、日本での就職活動の際に1年間も何をしていたのか、という面接官からの問いに、「この1年があったからこそ!」と言えるように、目標・計画を持って過ごす必要があるといえる。
米国が好きだから、という理由で海外就職を希望する人もいるが、それ以外に明確なキャリアの目標がないようでは就職活動の強いモチベーションにはならない。また、「せっかくだから留学先でとりあえず就職活動しよう」程度の意識、姿勢で就職活動に臨むことは大変危険だと同社は唱える。

「はじめの一歩」だからこそ大切に

 社会人としての最初の1年はその人のキャリアにとって非常に貴重な1年となり、3年目までにビジネスパーソンとしての基礎を築くことなる。この時期を海外で就職するということは、人の数倍もの準備と努力が必要になる。そのことを理解した上で、本当にやりたい仕事が海外なのであれば、海外での可能性に賭ける価値はある。
海外での就職は、日本の就職活動のように「一定の時期に同じ境遇の学生が一斉に就職活動」という型にはまっていない。その分、多様な就職活動の方法があり、また多様な職種があり、それはリスクであると同時に可能性でもある。
●リスク● 海外で合法的に働く際の一番大きなリスクといえば「ビザ問題」。日本人留学生を現地で積極的に受け入れている企業・団体はあるが、米国人の雇用機会に比べると、圧倒的に少ない。予想以上に反応の少ない就職活動経験をする覚悟が必要となる。
●可能性● 海外で働くことは容易なことではないが、そんな環境下でも自分なりのキャリアを積んでいる日本人は大勢いる。リスクがあっても海外で働く意義は、多種多様な職種の可能性にあるといえる。

こんな職にも日本人が!

●Financial Analyst
米系投資銀行で日本株を米国の投資家に勧める
●Sports Reporter
日系の新聞社でメジャーリーグベースボールで活躍するスポーツ選手のリポーティングを務める
●Tax Consultant
米系会計監査法人で日系企業相手の会計サービスを提供する
●Project Manager
現地社員の工場監督を日系自動車メーカーで担う
●Executive Secretary
日系企業で社長秘書を担当する
●Marketing Director
3大ネットワークテレビ局でアジア系マーケットへのマーケティングを担う
●Sports Trainer
マイナーリーグベースボールで選手のトレーニングを管理する
●Sales Manager
ワイナリーからワインを日本へ輸出する
●Travel Partner
日系旅行代理店での外国人向け日本行きツアーパッケージをコーディネートする
●Simultaneous Interpreter
国連会議での同時通訳を担当する
●Wine Specialist
オークション・ビジネスでワイン価格の鑑定を行う
●Store Manager
有名ブランドバッグ専門店店長
●Assistant Vice President
信託銀行で経営企画を手掛ける

「CFNスカウト」やキャリアフォーラムも役立つ

海外で働くということは、ビザの問題や、家族や親戚から離れて暮らす、外国人として生きるなど、どんなに安定した仕事についたとしても、自国にいる時には感じたり経験しない状況に立ちはだかる。そんな中でも、「海外で自分を試してみたいと思うのであれば、先輩たちの歩んでいるキャリアからヒントを得ながら模索してみるといいでしょう。きっと可能性が見えてくると思います」と、同社はメッセージを送っている。
同社サイトでは、米国での就職活動のヒントや過去の事例を多数紹介している。また、新卒者の就職にも、転職者の適職探しにも役立つ「CFNスカウト」や、同社主催のキャリアフォーラムの紹介も随時行っている。海外就職を後押しする情報が詰まっているサイトといえる。

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〈情報〉DISCO International, Inc.(ディスコ インターナショナル)
【Eメール】cfn@careerforum.net
【電話】212-403-6840
【URL】www.discointer.com
【日英バイリンガルのための就職・転職ジョブサイト キャリア・フォーラム・ネット】www.careerforum.net
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年7月26日号掲載)
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