「1泊2日の旅」をテーマに、リラックススタイルを提案
エレガンスで女性らしいだけでなく、ウィットに富んだデザイン性で人気のファッションブランド「THEATER PRODUCTS(シアタープロダクツ)」は、2月10日にニューヨークファッションコレクションデビューを果たした。初日の9日は大雪に見舞われたが、翌日のショーには、足場の悪さなど一切関係のないかのように会場には多くの人が訪れた。
今回の発表は、毛織の技術で世界トップクラスを誇る繊維メーカー「中伝毛織(ナカデンケオリ)」(愛知県一宮市)と「シアタープロダクツ」の協業で、「素材や小物など、ディティールまで目が届くように」と従来のランウェイ形式ではなく、プレゼンテーション形式でショーを行われた。
「1泊2日の旅」をテーマに、かばんに詰めて持ち運べるリラックスウェアを意識して作られた今回のコレクションは、奇遇にも双方のタイミングが合って実現したものだ。シアタープロダクツデザイナーの武内昭さんに今回のコレクションについてのお話を伺った。
今回中伝毛織さんと協業するに至った経緯を教えて下さい。
ちょうど “シアタープロダクツとしての次のステップは海外にあるんじゃないか”と考えていたところに中伝毛織さんから協業のお話を頂いて。そこからスタートしたプロジェクトでした。以前から今回のような協業ではないですが、お仕事でご一緒させていただく機会はあったので、お互いに認識はしていました。中伝さんと一度しっかりと、例えば生地の開発とかでお仕事したいなと思っていたので、(今回のプロジェクトは)またとないチャンスでしたね。
コレクション発表の場としてニューヨークを選ばれた理由はなんでしょう。
世界で最も魅力のある都市はどこかなってデザイナー同士で話をして考えていた時に、やっぱりそれは “ニューヨーク” じゃないかなって。何年前だろう、たぶん2~3年前にそんなことを話していて。いつかニューヨークで発表できる機会があるといいねって。たぶんそれがスタートだと思います。
3年越しの思いを果たした今、ご自身でどう感じられていますか。
シアタープロダクツは洋服だけでなく、アクセサリー等の小物も充実しています。その全ては、もちろんエレガントであって女性的、一方でウィットな部分も見え隠れする。そのバランスを大人の方にも楽しんで頂きたいな、という思いがあって。
今回こうしてニューヨークに実際に来てスタッフの方々と話していくなかで、そういう意味ではすごく、ニューヨークという都市はあっているのかなって。ちゃんと大人の人に向けて面白さとか、美しさみたいなものを理解してもらえる場所なのかなって思いましたね。
中伝毛織副の中島君浩社長は、「デザイナーのコレクションを通して、素材の良さを世界に広めていきたい」と、今回のコレクションは、同社の海外事業推進の一環であると述べた。同社にシアタープロダクツを紹介したのは、日本ファッション・ウィーク推進機構の国際ディレクター、信田阿芸子さんは、「日本には中伝毛織さんを初めとし、世界トップクラスを誇る繊維メーカーが沢山存在します。日本の高品質な生地を世界で流通させる為には、ブランドを通して生地を知ってもらい、広めることが重要になっていきます。イタリアなど(高級生地の原産国として知られる)は、マテリアルを主軸としたブランドの確立が上手い。彼らに倣って、私たちもマテリアルに特化したブランドを流行らせる必要があります」と今後の海外展開について語った。
【THEATER PRODUCTS公式サイト】http://www.theatreproducts.co.jp/
【中伝毛織公式サイト】http://www.nakadenkeori.co.jp/
【プロフィール】
日置愛(ひおきあい)
ニューヨークビズ!新米駆け出しライター。週末の寂しさを埋める為、ファッションストリートスナップサイトをひそかに運営中。www.framenewyork.com
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