ファンとの距離近くなった現状を楽しんでいるよ
「ガチ!」BOUT.85
映画「スタンド・バイ・ミー」「グレムリン」に子役で出演し、80年代に一世を風靡した俳優のコリー・フェルドマンさん。現在はプロデューサー業も兼ね、多くのDVD映画に出演している。DVD映画「ロスト・ボーイズ ザ・サースト」のプロモーションで全米を回っているフェルドマンさんにお話を伺った。(聞き手・高橋克明)
「ロスト・ボーイズ ザ・サースト」 全米でプロモーション
あなたの出演されていた「スタンド・バイ・ミー」(1986)は個人的に一番好きな作品です。
フェルドマン ありがとう(笑)。もう、20年以上経ってもあの作品のことはいまだに聞かれるよ。時が経っても色あせない作品に出演できたことは僕にとっても誇りなんだ。
現在、映画「ロスト・ボーイズ」の続編「ザ・サースト(The Thirst)」のプロモーション中とのことですが。
フェルドマン そう。「ロスト・ボーイズ」は1987年に公開されて、2008年に僕が「ロスト・ボーイズ・ザ・トライブ」としてリメークしたんだ。で、今回の「ザ・サースト」がそのまた続編ってことだね。
「ロスト・ボーイズ」はホラー映画好きの映画ファンから熱狂的なカルト人気を得ていました。その続編を作るということはプレッシャーもあったのでは。
フェルドマン 確かに、プレッシャーだらけだったよ(笑)。ただ昨年「Chiller Eyegore Awards」(注:最優秀ホラー映画を選ぶ映画祭)で作品賞に選ばれた時に確かな手応えを感じたんだ。プロデューサーとしてもやっていけるってね。
今回は、インディペンデント映画館での上映とともに、上映ツアーでご自身も全米を回ってらっしゃるとか。
フェルドマン 映画俳優としてデビューして以来、初めての試みだったんだけど、監督と出演者が、映画を見に来てくれた人たちとディスカッションの場を持つという企画で、とても興味深かったよ。彼らの反応は上々で、また続編(4作目)製作の話が持ち上がっているんだ。出演者としても、プロデューサーとしてもうれしかったね。
80年代のデビュー当時と現在の映画界に大きな違いはありますか?
フェルドマン 基本的な「役者業」に変わりはないんだけど、ビジネスについて言えばその質問の答えは「YES」だね。近年は、俳優がプロモーションに参加することが主流で、僕もソーシャルネットワークのFacebookやTwitterに参加するよう、エージェントに言われたよ。昔とは大違いだね(笑)。ファンと交流を持つことが、作品を広め、それが興行収入につながる。僕としては、ファンとの距離が近くなって、その現状を楽しんでいるよ。
そして、今年初め、その「ロスト・ボーイズ」で共演し、長年の友人でもあったコリー・ハイムさんがお亡くなりになりました。
フェルドマン コリーを亡くしたのは本当に残念で、とても悲しい出来事だった。彼とは子役時代から仲が良かったからね。途中、お互いの方向性から、すれ違いの日々もあったけど、ここ数年、頻繁に会うようになって、また共演することをお互い望んでいたんだ。現に、「License to Drive(運転免許証)」(88年)の続編「License to Fly」で共演する話が固まっていたからね。本当に残念だよ。
それに加え昨年は、幼少期から交流があったというマイケル・ジャクソンさんも亡くなられました。
フェルドマン 昨年から今年にかけて、僕の人生において大切な人たちを次々に失った。離婚もしたしね(苦笑)。ただ、彼らとのかかわりから、自分が俳優として、これからも映画作りにかかわり続けていきたいと改めて思わされた日々でもあったんだ。
最後に日本のファンに一言お願いします。
フェルドマン 日本は本当に大好きな国で、以前に一度だけ東京に行ったことがあるんだ。とにかくビューティフルな街だったね。機会があれば本当にまた行きたいよ。ファンのみんなが僕のことを覚えていてくれたらうれしいね。
コリー・フェルドマン
職業:俳優
1971年生まれ。79年映画デビュー。84年「13日の金曜日・完結編」のトミー役で一躍有名に。その後、「グーニーズ」、「グレムリン」と個性的な少年を好演して注目され、86年「スタンド・バイ・ミー」では、戦争で心が病んだ父親を盲目的に慕うテディに扮(ふん)してその実力を発揮した。2000年代に入り、映画製作にもかかわる。公式サイト:www.coreyfeldman.net/
〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2010年11月13日号掲載)