〈コラム〉Dr. Clara Lee「歯のおはなし」3回

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“Lessons in French”

フランス語でレッスン

患者さんの気持ちと向き合う日々の中で出会った一人のフランス人紳士のお話をしたいと思います。
夕方犬の散歩に出る度に出会うようになった初老のフランス人男性とは、最初会釈だけ交わしていました。そのうちだんだんと言葉を交わすようになり、彼は私が歯医者だと知るとフランス語のアクセントで“ドクター”と親しみを込めて呼んでくれました。しかし、ある日を境に、元気がなくなり、しかも痩せていくのが気になり始めました。どうしたのかと尋ねると、残っていた歯を抜いて総入れ歯を上下作り、何度も調整に通院したが、未だにそれが合わなくうまく?むことができない。鏡に写る自分の顔はまるで他人の様だし、普通に話すことも、大好きな歌さえも歌えなくなったと悲しそうな顔で首を振りながら「C’est la vie(人生とはそんなものさ…)」と呟くのでした。
◇  ◇  ◇
彼のこの状況をなんとかしたいと切に願った私は、新しい義歯を私に作らせてもらえないかと申し出ました。それから毎週の様に彼は私のオフィスに通院し、話し合い、調整しながら納得のいく義歯を作ることができたのです。また食事が出来るようになり体重が戻り、普通に話せ、大好きな歌だって歌えるようになり、顔も長年知ってる自分の顔に戻りました。そして、「Joie de vivre(生きる歓び)」と満面の笑顔で言ってくれました。
◇  ◇  ◇
その後、散歩中の彼に“とてもハンサムになられましたよ!”と声をかけると「Merci, Doctor !(ありがとう、先生!)」とさらに輝いた顔でお礼を言ってくれました。私はとびっきりの笑顔でなるべくフランス語ぽく「C’est mon plaisir(光栄です!)」と言ったのです。

Dr.Leeからのコメント

「患者さんの笑顔は私を笑顔にしてくれます! 歯医者を身近な存在にして、健康ですてきな笑顔でいて下さいね」
(次回は12月11日号掲載)

(「WEEKLY Biz」2010年11月13日号掲載)
〈プロフィル〉Dr. Clara Lee ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデンス修了。13年以上に及ぶ臨床経験は一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care院長として古山医師と共に、多くの日本人患者さんを治療。Dentistryをこよなく愛している。記事提供:Waterside dental Care(Tel:212-683-6260)

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