加護亜依(2)

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やってきたことのすべて ここにつながった感じ

「ガチ!」BOUT.80

KDDIモバイルのイメージキャラクターとして米国でも活動する女優、加護亜依さんが先月、ニューヨークでジャズシンガーとしてデビュー。海外初となるライブ直前、ジャズとの関係、これからの活動目標など、お話を伺った。(インタビュー・9月9日)(聞き手・高橋克明)

 

NYでジャズライブ

ニューヨークでのライブを控えて、今のお気持ちを聞かせてください。

加護 海外でのライブ自体が初めてで、多分、自分の人生の歴史に残る一日になると思うし、当日が9月11日なので、あれから9年のその日に自分がこの地にいるということにちょっと運命的なものを感じています。9年前は24時間テレビの武道館でロウソクを持って歌ってたんですね。だから今回はジャズを通して亡くなられた方にお悔やみを申し上げられたらいいなって思います。

当日はどんなお気持ちで臨まれますか。

加護 ものすごい“緊張しい”なので、あえて口で緊張するって言いたくないんです。楽しみたいって気持ちの方が強いです。まだジャズを始めて1年も経ってないのに、こうやって皆さんの前に立てるのは、もちろん私の力じゃなくって周りの人たちのおかげなので、感謝の気持ちで歌いたいです。

ジャズを始められてご自身の中で何か変化はありましたか。

加護 今までジャズって年配の人が聞くものだって勝手に思ってたんですけど、意外と若い人で聴く方も多いんだなって思いました。あと、ジャズを通じてアメリカ人のファンともつながる事もできるし、世界的に表現できる方法がジャズなんじゃないかなって感じましたね。

今までの歌手としての経験や、女優としての経験も生かされていますか。

加護 やってきたことのすべてがここにつながったって感じです。やってきてよかったなって。だって、ウェブスターホールって私でも聞いたことがあるホールなんですよ。

みんな知ってると思います(笑)。

加護 すごいですよね、どこに行くんだろ、加護亜衣(笑)。でもこれも試練かもしれないって勝手に思ってるんですよ。やっぱり自分の人生振り返るとたくさんの試練があったんですね。いつもいつも何か危機を感じてる人生。

はい(笑)。

加護 「はい」って(笑)!それを乗り越えるために試練がくるんだなって、最近ようやく理解できるようになりました。

ニューヨークで活動されてもう半年経ちました。あらためてこの街の印象は当初と変わりましたか。

加護 うーん。今回来て、この街の夏も冬も知ったことになるんですけど、そうですね、何かズシっとくる街ですね。へにゃへにゃした人間だと、たぶん生きていけない街。だからこの街で暮らされている日本の方って尊敬します。暮らされているというだけでスゴイなぁって。戦ってるって感じがしますね。

前回お話を伺ったときは、“今後は「ワールドワイド」になりたい”とおっしゃってました。半年経って、次の加護亜衣の目標はなんでしょ…。

加護 (かぶせるように)ポップコーンになりたいです!!

……………はい。えーっと、

※(助けを求め、マネジャーさんを見る。マネジャーさん、声を出さず「私にも分かりません」)

加護 説明要りますか。

はい、お願いします。

加護 えへへ、ポップコーンって子供から大人まで大人気なんですよ。で、はじけますでしょ。ああいうふうにはじけたいなって。どこの国に行ってもぽんぽんぽんぽんって。

なるほど、では、今後は“ ワールドワイドなポップコーン ”ですね。

加護 はい! なぜか分かんないんですけど、自信もあるんですよ。加護亜衣だけは世界に一人しかいないだろって。どこの国に行っても通用してやるぞ、みたいな。だから、やっぱりワールドワイドは外せないですね。

熱唱する加護亜依さん=9月11日、マンハッタンのウェブスターホール(撮影:上西)

熱唱する加護亜依さん=9月11日、マンハッタンのウェブスターホール(撮影:上西)

加護亜依(かご あい)

職業:女優、歌手、タレント

1988年生まれ、奈良県出身。2000年からモーニング娘。のメンバーとして芸能デビュー。グループ卒業後、映画出演や、ジャズシンガーデビューなど幅広いジャンルで活動。

公式サイト:www.kagoai.net/

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2010年10月9日号掲載)

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