清春 インタビュー 成功してもしなくても“挑戦”すれば人生は輝く

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BOUT. 295
ミュージシャン 清春に聞く

北米で初ライブが盛況

黒夢、sadsのボーカリストで、ソロシンガーとしてもカリスマ的人気を誇る清春さん。デビュー25周を迎えた彼にとって“特別な存在”だというニューヨーク在住のミュージシャン、MORRIEさんと今年8月、ニューヨークで初ライブを行った。ライブを終えた清春さんにお話を伺った。
(聞き手・高橋克明)

北米での初ライブが先ほど終わりました。

清春 楽しかったですね。僕が高校生の頃からリスペクトしていた彼が(今回のニューヨークライブに)呼んでくれたので。

Joe’s Pubであそこまで盛り上がったライブを見たことはありませんでした。

清春 長く僕のことを好きで応援してくれているファンも当然(MORRIEさんが僕にとって)特別な存在ということを知っているので、その思いもあったかもしれませんね。

お二人の出会いはどのようなきっかけで。

清春 最初は、もうただの一ファンで、出会いは目黒鹿鳴館っていうライブハウスなんですよね。僕の先輩がMORRIEさんと知り合いだったので「今日(ライブに)来るかもしれないよ」と。

清春さんのデビュー前の話ですか。

清春 インディーズ(時代)の頃です。まだ、全然、ノーフェイマスだった時。岐阜から東京のライブハウスに行った時のことですね。で、実際にMORRIEさん来られて、サインもらった時に「頑張れや」って言ってくださって。最初のその一言は覚えてますね。そこから僕も頑張ってデビューして、2005年かな、いろいろな人に参加してもらってアルバムを作る際に、その時に、初めて具体的なやりとりをMORRIEさんとやらせていただきました。

本当にファンだったんですね。

清春 僕は、もう、「好きだ」「好きだ」ってずっと言ってたので。僕がデビューした時には、MORRIEさんはもう、ニューヨークに行ってしまっていたんですけど、僕のソロアルバムに参加していただいて、その後久しぶりに彼が日本に帰ってきて、サインもらった時以来、久しぶりにごあいさつに行って。その時MORRIEさんも「おお〜、清春か」って。で、それからずっと付き合ってますね。

今回はアメリカ初ライブというよりも、憧れのMORRIEさんとのコラボの方が清春さん的には大きな出来事だったのかもしれませんね。

清春 そうですね。日本でも、こういった感じのMORRIEさんとのツーマンでのライブはやったことなかったですから。僕のライブにサプライズゲストでアンコールだけ出てもらったことはあったんですけれど、初のツーマンは今回、ニューヨークでって感じですね。MORRIEさんがいなかったら、今日まだニューヨークではやってないと思いますね。

清春さんが北米で今までライブをしていなかったのも意外な気がしました。

清春 日本のビジュアル系ミュージシャンは海外でやってますよね。僕はどっちかっていうと避けてたんですよね…。

理由はなんでしょう。

清春 うーん…何か、(みんなと)時期をずらして行きたいというか。ちゃんと音楽を聴いてほしいというか。

なるほど。

清春 いずれ日本以外の場所でやるにしても、もうちょっと自分の音楽に自信を持って、聴いてくれと、ストレートに言えるようになってからの方がいいかなと。

そうなんですか。できれば、今からでも定期的に来ていただきたいくらいなんですけれど。

清春 日本って海外のアーティストにめっきり弱いんですよ。日本人って、誰かが「これ、いいね」っていうと、それに乗っからないと「遅れてる」って言われちゃう。とらわれているんですね。日本では、たとえばフェスとかでも、ジャンルが偏ってるんですよ。本当に実力あるミュージシャンより、イメージやジャンルが優先されていく。

なんとなく分かります。

清春 日本のイベンターがすでに偏ってるので、キャリアが長すぎて、実力ある人がなかなか…(出られない)。ただ、僕らは(実力では)絶対に負けないんですけどね。イメージや流行(はや)りが先行される今の流れには完全に反対派です。本1冊出せそうなぐらい、僕らはもう長年に及んで、その悪い影響下にいるので。

ただ、今日のニューヨーカーの観客は、終演後拍手喝采で、2度もアンコールを呼び掛けました。

清春 それが日本にも伝わればいいですけどね。だから本来は海外に来た方が話は早いですからね。そういった意味では、1回目からいい経験ができたな、と。もちろん、今日は、日本からも多くの(日本の)方がいっぱい来てくれるんで。でも、次はできれば現地の方だけの前でもやりたいですね。

ということは、またニューヨークに戻ってきてもらえるわけですね。

清春 あの、ビザがね。2年取れたんですよ。なので、2年間は来られると思います。(笑)

プライベートも含めると今回は何回目のニューヨークですか。

清春 2回目です。でも、1回目も仕事だったので、あんまりニューヨークっぽい所は行けてないんですよね。なので、今回の方がタイムズスクエアを含めて、ニューヨークっぽい所へ行けたので、良かったですね。ブロードウェイも、ソーホーも、チャイナタウンにも行きましたし、あと「Search & Destroy」が良かった。

イーストビレッジのビンテージストアですね。

清春 今日も、会場から近いので、ライブ前に行って。毎回、店員さんもすごく気さくに関西弁でしゃべってくれて。

あ、清春さんのことを知ってたんですね。

清春 いや、知らなかった。知らないまま、接客(笑)。革ジャンとか、どれがいいか、すごく接客してくれて、いい人だったなぁって。

最後にニューヨークに住む日本人に何かメッセージをお願いします。

清春 ニューヨーク、やっぱり、デカイからね。僕が今回思ったのは、この街って全てのスケールが日本とは違うじゃないですか。街の広さから、人種の多さから、看板、お店にいたるまで、規模がはるかに違う。そこで勝つって大変だなって、昨日もスタッフと話してたんですよ。相当な覚悟で来たんだろうなって。日本で夢をつかむのは言ってしまえば、本気でやれば、できるんですよ。本気で誰よりも、そのことについて1日何時間も考えれば、イメージできれば、ある程度は形になる。まず、そんなに願っているやつが少ないんで。だけど、この街では、道を歩けば、大道芸人やストリートミュージシャンや、俳優志望や、コメディアンになりたい人がいっぱいいるじゃないですか。そこで勝つって、本当にすごいことだと思ったんですよ。僕の友達とかも海外で活動してますけど、でも、早い方がいいと思うんですよね。僕みたいに年取ってからじゃなくて。英語の壁とかいろいろあるからね。俺なんかもう50歳だけども、やっぱり人生1回しかないので、もちろんニューヨークでも、やるって決めたらもうやるしかないので、やる。でも、悔いのない人生を送るという意味では、それが成功しても成功しなくても、叶っても叶わなくても、アタックしてやってほしいって思いますね。自分の人生の大半はアタックしたほうがいい。結局、物事って、成功しても成功しなくても、一生懸命それに向かったか向かわないか、その仲間がいるかいないかで、死ぬまでのその人の人生が決まると思うので。

なるほど。

清春 成功してもしなくても、挑戦した方が人生が輝くと思う。僕も今まで、この仕事を長年やってきたけど、どこがゴールか分からないので。僕の場合は、それが成功なのかもしれない。それをやってきた自分がここにいて、自分の人生無駄じゃなかったなと思えるから。成功してもしなくても、何かを目指した時間が大事だと、思う。本気でね。日本の人たちは、僕の子供もそうだけど、やりたいことも無いとかって人、結構多いから、今。だから、はっきり、自分にやりたいという意志をもって、夢に向かってる人はね、日本人でも、外国人でも美しいと思います。そういう人がこの街には多い気がしますね。

ニューヨークにある老舗クラブハウス「Joe's Pub」でライブを行った清春さん(左)とMORRIEさん=8月16日(Photo : Tregallery)

ニューヨークにある老舗クラブハウス「Joe’s Pub」でライブを行った清春さん(左)とMORRIEさん=8月16日(Photo : Tregallery)

清春(きよはる)職業:ミュージシャン
1994年、黒夢のボーカリストとしてメジャーデビュー。そのカリスマ性とメッセージ色の強い楽曲で人気絶頂の最中、99年に突然無期限の活動休止を発表。同年、sadsを結成。2003年にはDVDシングル『オーロラ』でソロデビュー。そして、近年はライフワークともなった『MONTHLY PLUGLESS KIYOHARU LIVIN’ IN Mt.RAINIER HALL』という驚異的な公演数を誇るシリーズライブを展開し、17年には“エレジー”と銘打った66公演ではアコースティックという概念を大胆に覆すダークかつシアトリカルなパフォーマンスを演じ観客を魅了した。19年1月ポニーキャニオンへ移籍。デビュー25周年を迎えるアニバーサリーイヤーの幕開けとしてカバーアルバムのリリースと自伝本の出版を発表した。公式サイト:https://www.kiyoharu.tokyo/

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〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

(2019年9月21日号掲載)

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