佐藤有香(2)

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日本フィギュアの進化感じる

「ガチ!」BOUT.111

2012年元日、米NBC局で全国放送されるアイスショー「The Caesars Tribute II」に出演するプロのフィギュアスケーター、佐藤有香さん。荒川静香さんやサラ・ヒューズ、ナンシー・ケリガンといった歴代メダリストらとの豪華共演で話題の今回のアイスショー。それに掛ける思い、今後の夢を伺った。佐藤さんにとってのアイススケートとは。(聞き手・高橋克明)

 

NJでアイスショー「The Caesars Tribute II」に出演

いきなりヘンな質問なんですが、佐藤さんも緊張されることってあるんですか。

佐藤 え?

リンク上では非常に楽しまれているようにしか見えないので。

佐藤 (笑)。毎回、毎回。パフォーマンスに出て行く際に緊張しない時はないですね。

それはそうですよね。スミマセン…。

佐藤 でも、いざ曲が始まったらリラックスしてますね。緊張したままだと(パフォーマンスが)違ってくるので。それにもともとアイスショーが大好きで、スポットライトの中で滑れることにすごく快感を感じているので。

4年前にインタビューさせていただいた時にも「世界大会に出ていたころから(最終的には)スケートショーに出たかった」とおっしゃってました。

佐藤 そうですね。やっぱり音響、照明、技術そういったものを全部まとめてフィギュアスケートってすごいエンターテインメントだなぁと思ってたし。その中でできるだけ長く滑れるといいなって、いつも思ってるんですけど。

ファンも佐藤さんには生涯現役でいてほしいと思っているはずです。

佐藤 でも、ここのところ抱えている選手のコーチングで、自分のトレーニングをする時間も、なかなかねー(苦笑)。いつも生徒を優先してしまうので、それを終えてからだと集中力もなくなってしまっている現状なんですね。なかなか自分の練習する時間もアイスショーに参加するチャンスも少なくなってしまってるので。。。だからこそ今回のような催し物に誘っていただいて滑れることにすごく感謝の気持ちがいっぱいですね。

今回のショーでは特に誰と共演されたかったですか。

佐藤 エカテリーナ・ゴルデーワさんですね。私がまだ世界選手権日本チームの代表としてオリンピックに選ばれていないころから憧れていた選手ですので。そんな選手とこうやって共演できて、個人的にも友人としてお付き合いできるようになれるとは夢にも思ってなかったことですね。

佐藤さんにとって今回のアイスショーはどのような意味を持つのでしょう。

佐藤 今回はあのペギー・フレミングさんとも共演できるわけですが、彼女はうちの両親ともに同じ時代で一緒に世界選手権などに出場していた方なんですね。そんな彼女と時代が変わって一緒に滑れるということはすごくうれしいことなんですよ。

はい。

佐藤 もともとフィギュアってウエスタンのスポーツで東洋のものじゃないじゃないですか。それでも当時の日本人はビデオテープを擦り切れるほど見て研究して、一生懸命(技術を)取り入れて、少しでもこちらの文化を理解しようと手探り状態で勉強して。そういった歴史の末、今回のショーに荒川(静香)さんと安藤(美姫)さんと私と、日本人が3人も出場できて、ペギーさんや歴代のすごい選手たちと共演できるのは本当に誇りに思えることなんです。日本のフィギュアスケートのその進化を感じることができると思うので。

 

 

佐藤有香(さとう ゆか)

職業:フィギュアスケーター

1973年生まれ。東京都出身。アマチュア時代から多くの記録を収め、冬季五輪(92、94)に2度出場、世界ジュニア選手権(90)と世界選手権(94)で優勝。プロに転向後、世界プロフェッショナル選手権(95)で3度優勝。現在、コーチとして新人の育成にも携わっている。

元日にNBCで放送

世界選手権女王らが豪華共演したアイスショーの模様は、2012年元日にNBC局でテレビ放送される。(東海岸:午後4時〜6時)

アイスショーでの演技

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2011年12月24日号掲載)

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