日本にもスゲエ奴いるじゃん!〟っていうインパクトを残したい
「ガチ!」BOUT.95
今月13~15日、東海岸3都市で開催の新日本プロレスリングの「NJPW INVASION TOUR 2011」。それに先駆け現IWGPヘビー級チャンピオンである新日本プロレスの“主役”棚橋弘至選手に試合の意気込みを伺った。(聞き手・高橋克明)
新日本プロレス 初の米3都市遠征ツアー
先日、(実行委員長兼レフリーの)タイガー服部さんにインタビューした際、「今回のツアー、とにかく棚橋を見てほしい。新日本の歴史の中でも最高の逸材の一人だから」とおっしゃってました。
棚橋 おー!!(うれしそうに)
でも、それって当日のプレッシャーにもなる発言ですよね。
棚橋 でも、僕はチャンピオンなんで。(キッパリ)
プレッシャーにはならない、と。
棚橋 チャンピオンって、団体の顔じゃないですか。お客さんは、チャンピオンのレベルでそのまま新日本のレベルを判断すると思うんですよ。チャンピオン(の試合)が良ければ、あとは全てオッケーだと僕個人は思ってるんで。まあ、いつもどおりの全力の試合を見せれば大丈夫だと思ってます。「いいもの」って、ジャンルも国境も越えるんだよっていうことを証明したいですね。
アメリカのプロレスについてはどういった感想をお持ちですか。
棚橋 演出を含め、全てにド派手なイメージがあるんですけれど、でも僕が見ている分には、実は意外と基本に忠実なプロレスをやってるなって。そういうところ、すごく好きなんですよ。どれだけ(興行が)変わってもやってることはすごくクラシックな部分があって。そのへんのレスリングに対する姿勢には共感できるというか、尊敬してますね。
今回はチャーリー・ハース選手との防衛戦が組まれています。タイトルマッチを通じて、ニューヨークのプロレスファンには何を伝えたいですか。
棚橋 ジャパニーズ・スタイルっていうのを見てほしいです。それと、新日本プロレスのすごさと。“日本にもスゲエやついるじゃん!”っていうインパクトを残したいと思ってますね。
東日本大震災が今回の大会を決行する契機となったと聞きました。
棚橋 日本自体を元気にしないと復興もままならないですよね。“スポーツを通じて”とするならばプロレス界からは新日本しかないと思ってるので。プロスポーツの世界を盛り上げて、それに付随する経済活動も盛り上げて、長期的に応援できるようにしたいなと思っています。
ニューヨークの印象を聞かせてください。
棚橋 ニューヨーク初めてなんですよ。とにかくヒュージ!! でっかい街ですねぇ。20代半ばからずっと来たかったので、今回こういった形で来られたので、結果的にマーケットを広げていければと思います。
それでは最後に日本人へのメッセージをお願いし…(さえぎられ)
棚橋 ニューヨークにお住まいの日本人の皆さん! 愛してマース!!!
棚橋弘至(たなはし ひろし)
職業:プロレスラー
岐阜県出身、1976年生まれ。大学時代からレスリングを始め、98年に新日本プロレスの入門テストに合格。翌年、立命館大学を卒業し、新日本へ入門。2009年プロレス大賞MVP受賞。11年「WRESTLE KINGDOM V」では小島聡を敗り、第56代IWGPヘビー級王座に再び就く。新日本プロレス:www.njpw.co.jp
〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2011年5月14日号掲載)