「ガチ!」BOUT. 267
ヨグマタ 相川圭子に聞く
東京で公開インタビュー
史上初、女性としてインド政府公認の「シッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)」の称号を授与された、現在、下界で出会える世界でたった二人の最高指導者の、その一人、ヨグマタこと、相川圭子さん。彼女を一目見るためにインドでは10万人以上が集まります。先日行われた、5000年の伝統を持つヒマラヤ秘教の正統な継承者との公開「ガチ!」に会場の日比谷コンベンションセンターは超満員札止めとなりました。当日、会場にお越しいただけなかった方のために、紙面上で完全再現。「本当の自分に出会う旅」にお連れいたします。(聞き手・高橋克明)
ヨグマタ 今日ここに、高橋さまの(トーク)ショーにね、お招きいただきまして本当にうれしく思います。ニューヨークでご活躍をして、素晴らしい新聞を発刊されていらしていらっしゃるということで感動していますよ(にっこり)。皆さんの知りたい生活に役立つ情報を発信されていらっしゃること、ありがとうございますね。
(恐縮しつつ)あ、ありがとうございます。(感動して)今日、もう僕これで帰っていいです。もう、これだけで(場内爆笑)。あの、まず最初にお聞ききしたかったのは、先生を一目見るためだけにインドでは何十万人が集まります。どうして…今日、僕なんかの(トーク)ショーに出演OKいただけたんでしょう?(場内・笑)
ヨグマタ もちろん、呼んでいただけてうれしかったですよ。(にっこり)
それでは、まずは、先生がヨガというものに出合ったきっかけを教えてください。
ヨグマタ 幼少のころから、物事をいろいろと不思議に見つめていて、いつも「(あれ)知りたい」「(これ)知りたい」と思っている探求心のある子供だったんですね。父親が1歳半の時に結核で亡くなってしまって、そこから質問に答えてくれる人をずっと探していたのかもしれません。疑問に思うたび、本を読んだり(していました)。その時、1冊のヨガの本に出合って、素晴らしいなぁと思ったんですね。
1冊の書籍から先生の人生は始まった、と。
ヨグマタ 体が弱かったので、(最初は)体を動かすことにも興味を持ったんだと思います。スポーツがあんまり好きじゃなくて、懸垂しても腕の力がなくて(1回も)できなかったんですけれども。スポーツって競い合わなきゃいけないでしょ、それが苦手でね。一人でやるマラソンとかは得意だったんですけれども、そういった意味でもヨガは向いていた。10代の半ばに始めて、取りつかれていきました。精神と体の調和を測って心のバランスをとっていくってことだったので(良かったのだと思います)。
上京されたきっかけもヨガだったのですか。
ヨグマタ 姉たちは勉強が好きだったり、音楽が好きだったり、そういった環境にはいました。それぞれ、才能があって、NHKの「のど自慢」で1等賞をとったりとか、オペラを歌ったりとか、ダンスを踊っていたりとか、スキーが得意だったりとか、みんないろいろとやっていて、末っ子のわたくしは(それを)見ているだけだったんですよ。そして、みんな独立して(出て)行ってしまって、一人残されたみたいな感じにはなりましたね。もうちょっと強くならなくちゃと思い、一人、東京に出てきたわけです。
東京でのヨガインストラクター時代には、すでに数千人の生徒さんがいらっしゃいました。
ヨグマタ 東京都で50カ所くらい、教えていましたね。(クライアントには)NHKさまとか、新聞社とか。あとは伊勢丹ほか全てのデパートでも、教えていましたね。
ビジネス的にはそこでもう、成功、ですよね。
ヨグマタ 経済的に成功しようとか、そういう考えはなかったんですが、皆さんに(何かを)「伝えたい」「広めたい」という気持ちでやっていると、自然とそうなっていましたね。
そこがゴールとは思いませんでしたか。それを全て手放して、ヒマラヤに行くわけですけれども。
ヨグマタ もっと知りたい、と思いました。もっと深く学びたい、と思ったんですね。そのタイミングで、ヒマラヤの聖者(パイロット・ババジ)が(テレビ出演のために)日本にいらっしゃって、そこでわたくしに声が掛かって、(番組収録を)お手伝いすることになったんですけれど、(その際に)どうぞヒマラヤにいらしてください、と言われまして。
アシスタントとして収録現場にいた先生に。
ヨグマタ (ヒマラヤを)すごく自慢されていたので(会場・笑)。どんなに素晴らしいところなのかなぁって思って。わたくしも田舎で生まれ富士山を見て育ったので、同じような感じなのかなぁって。
実際に行かれたヒマラヤはいかがでしたか。
ヨグマタ ずっと目を閉じていたので、見そびれちゃったんですけれど。(会場・爆笑)
…それは…?
ヨグマタ 最初は修行で、目を閉じて行くので。(笑)
あー、なるほど。(笑)
ヨグマタ ババジは、ヒマラヤにはすごくきれいな花が咲いているとか自慢してたんですけど、最初は見れずじまい(会場・笑)。あとね、ヒマラヤの水で顔を洗ったら、美人になると思ったら、どんどんブスになっちゃって。(会場・爆笑)
そんなことないです! 最初に先生にお会いした時に、とても可愛らしい感じがして。可愛いなんて言うと、信者さんたちに殺されるかもしれないですけど(会場・爆笑)。でもババジさんに声を掛けられること自体、普通ではありえないとお聞きしました。
ヨグマタ それまで(日本で)熱心にヨガを教えていたので、そんな人を探していた、とは言われましたね。この人だったら、親もいないから大丈夫と思われたのか(会場・笑)。さらわれたわけじゃないんですけれど。(会場・爆笑)
捜索願も出ないし(会場・爆笑)。声を掛けられた時はうれしかったでしょうか。
ヨグマタ とにかく修行をしたい、という気持ちでした。さらに魂を清めたい、と。
そこから先生の人生が変わるわけですが、最終的にはご自身がインド人以外で初、女性で初のシッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)になるとは当初は予想もされていなかったと思うのですが。
ヨグマタ がんばり屋だったのかな。(会場・笑)
…がんばり屋って…(会場・笑)。先生は現世で二人しかいないヒマラヤ大聖者なんですけど、がんばり屋って言葉で済まされても。(会場・爆笑)
ヨグマタ よく分かんない(会場・爆笑)。前に進むっていうのがわたくしの性格なのかな(笑)。中学校の時に、冒険旅行っていうのがあって、お友達とぺちゃくちゃ話しながら、大菩薩峠っていう峠を超えるんですけれど、そのうちに(隣にいた)お友達がいなくなってしまって…。(会場・笑)
ちょ、ちょっと、待ってください。峠で、お友達がいなくなってしまうのは結構な大ごとだと思うのですが。(場内・爆笑)
ヨグマタ わたくしが早いのか、遅いのか、その時は分かんなくなっちゃったんですけど、わたくしはトボトボ、前に進まなくちゃと歩いてたら、みんなとはぐれちゃって、校庭に着いたら誰もいないので、みんな帰っちゃったんだぁと思って、あー、わたくしはどん尻なんだぁって…。
1位だった。
ヨグマタ そうなんです。(場内・笑)
お友達を峠に置いてっちゃったんですね…。(場内・笑)
ヨグマタ その時のカルマが今でもあるのかなぁっと(場内・爆笑)。競争は好きじゃないんだけど、自分に打ち克(か)つ感じだったのだと思います。その時はそういう意識はなかったですけど。翌日、這(は)ってじゃないと歩けなかったので、あぁ、頑張ったのかな、と。(場内・笑)
それは友達も置いてかれちゃいますね。(場内・笑)
ヨグマタ エンジンかかっちゃうと、ダダダダダって行っちゃう性格ではあったかもしれないですね。(笑)
そうだとしても、もはやインドの法律では先生以外は禁止されている、4日間飲まず食わずの公開サマディを18回も完遂されました。
ヨグマタ (4日間の)体と心を清めてコントロールする瞑想(めいそう)の修行は、呼吸も体の機能も全てストップするので、体が放置されて魂が出ていく、死を体験するような修行なんですね。死を超える体験、それが究極のサマディと言うんですけれども。
はぁ…。(あぜん)
ヨグマタ 心っていつも動いていますよね。ちょうど波立っている海の表面のように、刺激を受けるとビックリするとか、競争意識が出たりとか、悲しみや焦りが出たりとか。海の深ーい所は、静寂があります。そこには潜在意識や記憶があります。そこに到達することで、乱れている心の表面を整えるんですね。心を静寂にしていく修行なんです。
ただ、実際の人として、生命体として、ご自身の中で肉体の死の危険を感じたことはありませんでしたか。
ヨグマタ 心は平和になるので。そういう(危険だという)心の声(自体)がなくなります。純粋な意識と喜びと一体になっていく、そういうプロセスを経るための修行なんですね。もともと(人間は)純粋なんです。そこに還っていくのが瞑想であり、セルフ・アライゼーション、自己の悟りと言いますが、決められた一定の期間、神我一如になる究極のサマディのステージに入っていきます。
一定の期間と言っても、灼熱の中、水分を1滴もとらないのは、肉体的に非常に危険な4日間だと思うのですが。
ヨグマタ 長いほど楽なんです。短い方が大変というか。“こっち”に戻ってきたい気持ちがまだあるので。ただ長すぎると、(生命として)死んで戻ってこれなくなる人もいるので(法律では)禁止されているんですけれど。
先生は許可されている?
ヨグマタ はい。(許可を求める)裁判でパイロット・ババジが戦いまして。(サマディは)わたくしたちの中の素晴らしいものを見出せる方法として、啓蒙(けいもう)されていらっしゃいますね。そして、ただ食べて、寝て、仕事に行ってという生き方ではなく、真理を知っていくことがわたくしたちの生まれてきた目的であるということを皆さんにお知らせするために、(その)サマディを公開しているんですね。
それを一目見るために、インド国民が10万人以上集まってくるわけですね。それを先生は18回もやられた。最初のサマディを完遂された時のことは覚えていますか。
ヨグマタ 全て浄(きよ)めつくして、喜びの世界に入っているので、生まれ変わった感覚…全く新しい自分になった感覚です。ただ…言葉に言い表すには難しいですね。究極の悟りを開いた感覚といえばいいのか。マインドはない、意識だけの世界です。
あえて言葉にすると、その「究極の悟り」とは何でしょう。
ヨグマタ 真理を知る、ということです。宇宙は常に動いていて、変化して、消えていく。わたくしたちは人生を消化して、やがて“空(くう)”になっていきます。(人類の歴史は)生まれて、死んで、生まれて、死んでを繰り返し、少しずつ進化していきます。それを(ひとりの人間の)一生で体験し、目覚め、浄化していくことなんです。自分は一体誰なのか、内側を目覚めさせて、どんどん浄化をしていく。人間は目に見えるものしか理解できないんですね、なので、欲望に翻弄されてしまいます。その心はエゴ的なものに染まってしまう。そういったエゴを外して、本来の自分に気づいていく。宇宙の源と一体になっていく。それが悟りの境地なんですね。
…うーん…やはり言葉では説明しきれない世界だということを理解できました。ただ…僕はこの歳でも欲望に翻弄されまくりで…(場内・笑)。今すぐ、ヒマラヤにこもった方が、いいでしょうか(場内・爆笑)
ヨグマタ でもね、(ヒマラヤに行かずとも)瞑想をすることで、聖なる波動を浴びて、そのエゴを溶かすことはできます。魂の源と宇宙の源が一体になる、そんな感じを感じ取れることは可能ですね。あとは、自分の中の平和や、愛に気付いて周囲と常に調和をとっていく、そういう生き方をすれば、大丈夫ですね。
そうすれば、エゴに翻弄されない自分でいられる。
ヨグマタ あのね、自分の中に全ての答えがあります。欲しいものも全て手に入ります。わたくしは39歳でヒマラヤに行くまでに、自分で心理学やいろいろと癒やしというものを学びましたけれど、それまでは、なかなかそれらが(自分の中で)つながりませんでした。(ヒマラヤで)究極を知ることで、それらが全部がつながりました。その時、何もいらなくなりました。愛だけで、平和だけでいいんだなぁって。
なるほど。それでは昨今のヨガブームについてはどう思われますか。インストラクターが本物、偽物にかかわらず、東京にも多くのヨガスタジオが存在します。
ヨグマタ ヨガを体験していただくのはいいことだと思うんですけれど、ただ健康や美容のみのためだと少しもったいないような気もします。本来は真理を知っていく、さらに本当の目的に出合っていく、そういう修行であるものなんですね。わたくしたちの奥深くにある素晴らしい存在を知っていくのが本来のヨガですので、小さな目的のためだけに、満足しちゃうと、こういうものなのかなで終わってしまう。それは…もったいないかなと思いますね。
ただ、一般の僕たちがヒマラヤに簡単に修行に行くことはできません。日常生活の中での瞑想で気をつけなければならないことはありますか。
ヨグマタ テクニック論だけではなく、生活の中で自分の中に愛が湧くと、相手を理解したりすることができます。(逆に、悪いことを)声に出すと、カルマになり、それが心に刻まれて、ストレスになります。不調和になっていくと、自分の感覚がゆがんで、体を壊したりもします。バランスが取れていくと、ゆがまない楽しく生きることの一歩にもなります。
なるほど。
ヨグマタ わたくしは、(ハリババジに)皆さまを救うように、皆さまの内側を目覚めさせるように言われ、ヒマラヤから降りてきました。修行して得た聖なるエネルギーを皆さまにシェアすることで、最速でサマディのエネルギーを皆さまに伝えていきます。わたくしは時間がかかりました。お金もいっぱい遣いました(笑)でも、皆さまには究極から伝えていくので、最速で、皆さんのカルマを取り除きます。浄めたわたくしの体は、宇宙なんですね。
先生、ご自身が。
ヨグマタ いいえ、皆さん全員が、です。体の中に、土のエネルギーも、水のエネルギーも、火のエネルギーも、風のエネルギーもあります。それらがつながっているように、(わたくしと)皆さんはつながっています。皆さんが幸せになるように、そのために、ヒマラヤで修行をしてまいりました。
先生から見て、今の日本はどう見えますか。
ヨグマタ 素晴らしく文化が発達して、皆さんの努力で、物質的には恵まれて、またさらに向上していくとも思います。それでも、今日、皆さんが高橋さんとわたくしの話を聞きに来てくださったように、真理を学びたい、という気持ちを精神的に持っていてくださる。それこそが素晴らしいことだと思います。さらに良い社会を作るには、自分を愛し、相手を愛すということですね。そして、皆さんがより一層、幸せになるためには、意識を覚醒させていただきたい。
今日はありがとうございました。それでは最後に、今日お集まりいただいた会場の皆さんにメッセージをお願いします。
ヨグマタ 今日はおいで頂きまして、本当にありがとうございました。皆さんはすでに素晴らしい存在なので、自分自身をしっかり信じて、調和をとって、愛を、人生を磨いていってください。出会いは学びですので、周りの人のいいところをね、しっかり尊敬して、この人生をどんどんどんどん成長させてください。生まれてきたことは、それだけで意味があることですので、この生を無駄にしないでください。神様は心と体を与えてくださって、それを磨くことができます。皆さんは神になれるほどの力をすでにお持ちです。内側から愛が生まれて、内側から知恵が生まれて、生きていくことに意味を見出すことができます。ヒマラヤの恩恵をもって皆さんの幸せをお祈りしています。皆さんを愛しています。ありがとうございました。(場内・大歓声)
ヨグマタ 相川圭子(あいかわ・けいこ)
世界初の女性ヒマラヤ大聖者。ヒマラヤの秘境にて死を超える修行を重ね、最終段階のサマディに到達し、究極の真理を悟る。世界平和と真理の証明のためにインド各地で計18回公開サマディを行う。2016年6月より3回、国連本部で平和のスピーチを行う。現在、世界各国を回り法話と瞑想秘法伝授を行っている。著書は、『八正道』(河出書房新社)、『ヒマラヤ大聖者の心の曇りをとる瞑想』(宝島社)など多数。17年4月よりTBSラジオにて生き方を語る。
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2018年10月6日号掲載)
※10月13日・14日、ニューヨークでも瞑想会を行います。
詳しくはこちらをご覧ください。