NYで初の個展開催中
NYの街中の全てが作品のテーマに
「旅行でニューヨークに来た時は、この街そんなに好きじゃないなと思ったはずなのに」と話すグラフィックデザイナーの吉田紗智子さん。昨秋、活動の拠点を日本からニューヨークに移し、制作活動を行っている。
米国留学中、大学の教授にグラフィックデザイナーとしての資質を見いだされた吉田さん。再び渡米することを心に誓い、卒業後日本に帰国し、デザイナーとしてキャリアをスタートさせた。現場での経験を積み、広告・ポスターなどの商業デザインを主に手掛けるグラフィックデザイナーとして一線で活躍、 大手自動車メーカーや大手美容院などから直々に発注を受けるアート・ディレクターになった。12年間で手掛けた作品は3000点を超え、目をひき付け、印象に残る作品の作り方を商業デザインの制作から学んだという。
グラフィックデザイナーとして仕事をする一方で、ニューヨークの刺激の多さに魅了され、いつしかこの街をテーマにした作品を作り始めていた。作品には、大都会なのに花や緑が多いニューヨークを「見ているだけで良い気分になるんです」と花の画像を表現の材料に取り入れ、点描画で街並みやランドマークなどを表現した。
「ニューヨークには描けるもの、描きたいものがたくさんあって」街中の全てが作品のテーマになっていく。ストリート・アートや建物からも刺激を受ける。「アートの中心で暮らしているなあ! と毎日感じます」
「いろんな人種がいて、裕福さも違う、個性があって…何より、自由に生きている感じがする」
日本では団体の中の一部という感覚を常に持っていたがここでは毎日「一人である」ことを感じるそう。それを寂しい、不安などと思わず「自由に伸び伸びやれて、どんどん大きくなっていける。この雰囲気が、好きなんです」。街から刺激を受け、ニューヨークが大好きな街になった。
9日から、在ニューヨーク日本国総領事館広報センター内ギャラリーで、ニューヨークからインスピレーションを受けて出来上がった作品の数々を展示している。
今後はパステルアートとグラフィックデザインを組み合わせたり、花の画像ではなく生花を使って立体の大きな作品を作るなど、新しい表現手法を見つけていきたいと話す。ニューヨークを描きつくすまで、吉田さんの進撃は止まらない。
吉田紗智子展示会「Hana de New York/花でニューヨーク」
【会期・閲覧時間】9月9日(火)~24日(水) 午前9時半~午後4時 土日祝日は休館
【場所】在ニューヨーク日本国総領事館18階 広報センター内ギャラリー
【住所】299 Park Avenue, 18th floor, New York, NY 10171(入館の際に写真付き身分証明書が必要)
【問い合わせ】kochisadashiyo@gmail.com(吉田)
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年9月13日号掲載)