山田あつし指揮のPONY公演
震災5年で日米合唱団
山田あつし指揮者率いるフィルハーモニア・オーケストラ・オブ・ニューヨーク(PONY)のシーズン開幕デビューコンサートが3月29日と30日の2日間、ジャズ・アット・リンカーンセンター開かれた。
このコンサートは、東日本大震災後の2011年11月に発足した東日本復興支援プロジェクト「ハンド・イン・ハンド」の活動の一環で、PONYのオペラ歌手やオーケストラ、ニューヨークの学生らが被災地の東北3県の高校生を中心とした合唱団と共にリンカーンセンターで行うというもの。
29日の公演では、岩手県立久慈高、宮城県仙台三桜高、福島県立橘高、埼玉県立川越高、宮城県の団体「名取こどもミュージカル」の高校生、ニュージャージー州のカレッジ・オブ・ニュージャージーの大学生からの日米合唱団230人が、PONYによるマーラー交響楽第2番「復活」の演奏に合わせて合唱を披露した。また演奏中には、本編に沿った映像とライブの演奏模様が高精細の「4K」で巨大スクリーンに投影された。
震災から5年が経ち、続く復興への思いを込めた歌声に観客は聴き入り、終演後の大きな拍手とアンコールに出演者も応えた。
被災地の高校生「感謝の気持ちを伝えたい」
公演前の記者会見には、日本の合唱団を代表して8人の学生が出席した。コンサートへの意気込みを聞かれた生徒は、「合唱を通して、復興に向けて支援してくださる方々への感謝の気持ちを伝えたい。次世代の東北を担う私たちの元気な姿を世界に発信したい」「震災から5年経った今も、残念ながらまだ完全に復興しているわけではない。丸5年の節目に、合唱を通してあらためて東日本大震災の事実を世界の人に知ってもらいたい」などと語った。
活動の詳細はhandinhandconcert.com参照。
(2016年4月9日号掲載)