コロンビア大学中世日本研究所・日本文化戦略研究所が和楽器演奏会
米コロンビア大学中世日本研究所・日本文化戦略研究所は3月26日、ニューヨーク市内の同大学内ミラーシアターで和楽器演奏会を開催した。
11回目となる今回の演奏会で、会場は満席となる人気となり、特に日本人以外の観客が多く集まった。
前半は雅楽古典曲が、宮田まゆみ氏(笙=しょう)、中村仁美氏(篳篥=ひちりき)、笹本武志氏(龍笛)とともに、コロンビア大学雅楽管絃アンサンブルと交えて演奏された。途中聴きどころの解説が英語で行われた。
後半の現代曲の演奏前に、現代曲の作曲を手掛けた芸術監督の三浦寛也氏、佐々木冬彦氏(箜篌=くご、ハープ)、本條秀慈郎氏(三味線)によるパフォーマンスの解説が行われ、曲がジャスパー・ジョーンズや尾形光琳の絵画、ナボコフの詩に発想を得た点やそれぞれのバックグラウンドや楽器の特徴などを説明した。箜篌の弾き方では、その珍しさに客席から感嘆の声が漏れた。
1曲目の「黄連雀(Waxwing)」(武智由香氏作曲)ではナバコフの詩の発想を得て、本條氏による語りと唄が三味線の演奏とともに、宮田氏の笙とのコラボレーションで演奏された。また日本語と英語の字幕も舞台に映された。2曲目「かさね格子(Gossamer Lattice)」(三浦寛也氏作曲)「はジャスパージョーンズの絵画をスライドで映しながらの笙、篳篥、龍笛のアンサンブルとなった。3曲目の「その橋は天へと続く(Bridge to the Heavens)」(佐々木冬彦作曲)ではくご、ハープ、笙、ベンジャミン・プレネタ氏によるバイオリンとのアンサンブルが披露された。
米国本土で雅楽のトレーニングを行う大学はコロンビア大のみとなり、珍しい和楽器が奏でる音色を聴こうと観客は熱心に耳を傾けた。
【ウェブ】medievaljapanesestudies.org
(2016年4月2日号掲載)