上質な霜降り使ったステーキフリットと厳選されたワインが自慢
1959年、パリにオープンした小さなビストロ「Le Relais de Venise L’Entrecôte(ル・ルレ・ド・ブニーズ ラントルコート)」。大好評を得てロンドン、そして数年前ついにニューヨークにも上陸した。マリリン・モンローが地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわりと浮き上がるシーンで知られるマンハッタンのレキシントン街と52丁目の角にあり、店内は昼夜問わず、多くのビジネスパーソンや家族連れ、旅行者でにぎわっている。
メーン料理は1品勝負
メーン料理は、ステーキとフレンチフライをソースでいただくビストロの定番料理「Steak Frites(ステーキフリット)」のみ。フランスの家庭料理として愛されているメニューで、通常は牛肉のリーズナブルな部位を使うが、同店では上質な霜降り状の柔らかい部位「Entrecôte(アントルコート)」を使用している。秘伝のソースがかかった柔らかくジューシーなアントルコート・ステーキにフレンチフライ、マスタードドレッシングがかかったクルミ入りのグリーンサラダが付き、セットで28・75ドル。この1種類だけなので、料理メニューが存在しない。なんともユニークな店のコンセプトだ。
ステーキの焼き加減の定番、レア、ミディアム、ウェルダンに加え、限りなく生に近く、両面を数秒程度焼いた「ブルー」を取り入れているのは、新鮮な肉を使っているからこそ。ネブラスカ州とアイオワ州で同店のために育成されている米国産牛を使用している。
豊富なデザート
ドリンクと食後のデザートはメーン料理とは違いメニューは豊富。専属のパティシエによるデザートに、ニューヨークではあまり味わうことができないメレンゲとアイスクリームが何層にも重なった迫力のある「Le Vacherin du Relais(ル・バシュラン・ドゥ・ルレ)」(8ドル)がある。コーティングされた濃厚なベルギーチョコレートの苦味がアイスと合う一品。17種類もあるデザートから1品選ぶのも楽しい。
また、創業者がもともとワインを作っていたスペシャリストだっただけに、少ないながらも選び抜かれたワインが自慢だという。
フレンチレストランだが、店名にちなみ、壁にはベニスの街並みが描かれた絵画ずらりと並ぶ。内装は世界各地の店舗いずれも統一されているのだという。日系企業も多く点在するエリアで、落ち着いた雰囲気が商談にも適し、注文してからほどなく料理が出てくるので時間のないビジネスパーソンにも最適のスポットといえる。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年10月4日号掲載)
Le Relais de Venise L’Entrecôte【住所】590 Lexington Ave(corner 52nd & Lexington),NYC
【電話】212-758-3989
【営業時間】(月―金)正午〜午後2時半、午後5時半〜10時半、(土・日)午後12時半〜3時、午後5時半〜10時半)
【ウェブ】www.relaisdevenise.com/newyork