目的を見失わない
先日の中間選挙で大敗したオバマ大統領。私は、残りの2年間でオバマ大統領がどのような手腕でラストスパートをかけるのか、大いに期待しています。「失敗は成功の元」、「人生山あり谷あり」。危機の時にこそ本当の力量が試されるのですから。
先日、私と同じ広島県人である岸田外務大臣と会食する機会がありました。日中韓外交の話など国際問題をお伺いするうちに、話は選挙のことに。最近の日本の選挙では、隣国問題、増税、原発問題など国が抱える重要な問題についても“票が取れるコメント”が多く、国よりも票、出馬の目的が国の繁栄ではなく当選。国を良くするという政治家としての本来の目的を忘れ、選挙で当選することが目的となっているのではないかなど、大臣とともに日本の政治を考えることができた貴重な時間でした。政治家は、本来の政治の目的を常に見極めて行動する事が大切ですが、時としてこの正当な行動が有権者の誤解を招いて落選する事もあるのだそうです。国を良くしようと志を持つ人が落選してしまうのは、有権者に対する説明不足であり、有権者の責任ではありません。政治の目的を果たすためには心を込めて丁寧に説明し、気づかない人を気づかせる努力が大切なのです。もちろん岸田外務大臣は日中韓が信頼関係で結ばれる事が日本にとって大切であると考え、水面下でも動いているそうです。
さて、会社ではどうでしょう。縁の下の力持ちさんも是非自分の努力を上司にアピールしてください。気づかない上司を責めて辞表を出しても何も解決しません。縁の下で頑張っているあなたの目的はなんですか? その目的は辞表では解決しないはずです。目的を見失わないでください。
皆で気づき、皆で気づかせ、そして同じ目的に向かっていくチームは強いと思います。
私は、最初から強いチーム(会社)に入るより、自分たちの力で強いチームを作る方が楽しいのではと思っています。是非、参加してください。(笑)(次回は1月第4週号掲載)
〈プロフィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。