やった分だけ幸せになれるもので楽しんで ことしNYに移住
米紙「ニューヨーク・タイムズ」にも連載されているパズル「KENKEN」。米国だけで150以上の新聞や雑誌に掲載されているこの大ヒットパズルの生みの親で宮本算数教室の主催者、宮本哲也さんにお話を伺った。
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KENKENを作り上げた時「これは、絶対一番おもしろいと確信した」と、宮本さん。似たようなパズルはこれまでもあったが、足し算だけ、掛け算だけ、と計算方法が限られているものばかりだった。全てを網羅できるKENKENは、「面白い上に、一つの世界が完成されていて、すぐに広まるはずだ」と悟ったという。実際に、ウェブサイトを通して世界に広がり続けている。
算数の問題には4種類ある。やさしくてつまらない、やさしくて面白い、難しくてつまらない、難しくて面白い。「この中で“面白い”問題だけが、子供の自発性を伸ばして、学力を高めることができる。計算問題は手段でしか無く、“目的”には絶対ならないわけですが、このパズルの場合は、答が出て、穴が埋まった段階で喜びがある。そこが違うのです」
このパズルを完成させると自己肯定感が高まり、出来たら、もっと難しいものがやりたくなるという性質を利用して、クリニックでも利用されている。
「人を楽しませたいんです。笑って終わり、という楽しさではなくて、やった分だけ幸せになれるもので楽しんでほしいといつも思っています」
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15年にはニューヨークへの移住を予定しているという宮本さん。宮本算数教室も同時にニューヨークに移転するという。
ニューヨークは「いろんな人に会えて本当に楽しい場所。新しいものに挑戦しないとニューヨークに来る価値は無い。同じことを繰り返していると、飽きちゃうし、自分の成長が止まるのが一番怖いですしね。」と、次なる目標に向けて動き出している宮本さんの快進撃から目が離せない。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年1月10日号掲載)