〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第16回

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富士山で同じ釜の飯を食う?

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社員と一緒に挑戦した富士山登頂。中央が筆者

「同じ釜の飯を食う」。私が若い頃はよく聞いたり使ったりしたことわざですが、最近はコンピューター化によるスピードアップの時代となり、このことわざを使うほどの人間関係には発展しないようですね。ご飯を炊くのが釜ではなく炊飯器の時代になったからと言って、ことわざにあったような人間関係がだんだん気薄になるのは否めません。いつもより少しばかり長い時間を苦労した場合に「同じ釜の飯を食う」と言うのが現代なのでしょう。
それはともかく、いつの時代でも親しい仲間との関係で気をつけなければならない事があります。それは、同じ釜の飯を食べ苦労を共にした仲間でも、些細なことでカッとなって喧嘩をした挙句に関係を終わらせてはいけないということです。たった一人と縁を切ったからと言って人生には何ら影響がないと感じられるかもしれませんが、後々の人生に大きな影響を及ぼすものなのです。
喧嘩をしても相手を恨まない努力、原因を解決する努力など、相手を思いやる少しばかりの努力を怠らなければ、何があろうと10年後には必ず良い関係を取り戻しているはずです。些細な事といえば、朝の挨拶もいつもより少し大きな声で言ってみてください。上司の方は自分から部下に言ってみてください。何かが好転していくはずです。

◇ ◇ ◇
今年も後半に差し掛かりました。富士山の山開きは7月1日。私は4年前に社員と一緒に登頂に挑戦しました。本八合目に1泊してご来光を拝みましたが、日本で一番高い山の頂上を極めるのは思った以上に苦しかった。富士山の前には上司も部下もありません。社員と狭いロッジでごろ寝をし、1200円の同じカレーライスを食べて頂上を目指す、まさに「同じ釜の飯を食う」体験でした。翌朝、皆で一緒に頂上から見た絶景は素晴らしく、今でも心に残っています。この「同じ釜の飯を食う」富士山登頂を目指している方、アドバイスはお任せください(笑)。登り方のコツなど、私のような初心者がどうして登頂できたかの体験談を、ご希望があればいつでもお話させていただきます。
(次回は7月第4週号掲載)

〈プロフNakagawaィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。

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