品川・高輪 第1回
2020年のオリンピックを前に、東京都内のホテル建設が勢いを増す中、プリンスホテル(本社:東京都豊島区)が、新しいコンセプトで個性を出している。グランドプリンスホテル高輪(所在地:東京都港区高輪、総支配人:山本誠氏)内に旅館機能を持たせた「高輪 花香路」(タカナワ ハナコウロ)だ。世界中から訪れる客に、「快適な宿泊」に加えて「和の体験」を提供する。
品川・高輪好ロケーション
「高輪 花香路」は16年、グランドプリンスホテル高輪の全392室のうち和室16室をリニューアルし、名称も新たに旅館として誕生。羽田空港からのアクセスも便利な品川・高輪という抜群のロケーションにありながら、約2万平方メートルの日本庭園が都心にいることを忘れさせてくれる。「品川・高輪エリアは、これまでアクセスが良い拠点として利用されていましたが、このくつろげる空間で、滞在そのものを旅の目的としてお楽しみいただきたいのです」と、グランドプリンスホテル高輪の宿泊支配人、芝田尚子さんは話す。
また、ザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル新高輪を含む三つのホテルが同じエリア内にあるため、レストランやスパなどを共有でき、施設利用の選択肢が広がる。客室の利用も、例えば米国人顧客には「高輪 花香路」で和の体験を、アテンドする日本のスタッフはグランドプリンスホテル新高輪に、という使い方も可能だ。
入った瞬間から「別世界」に
「高輪 花香路」はホテル内にありながら、専用のエントランスやラウンジ、スパを設けており、入った瞬間から「別世界」にいざなわれる。和服のスタッフが出迎えてくれる「冠木門」から日本庭園内を歩き、四季折々の花々や山門や鐘楼、観音堂などを眺めつつ歴史のエピソードなどを聞くうちに、静かな茶室にたどり着く。たててくれた薄茶をいただくころには、街の喧騒(けんそう)から完全に心がリセットされている。体験は、お茶のお点前の他にも着物の着付け、利き酒なども楽しめる。
16室ある客室は、畳でありながらローベットを採り入れるなど海外客にも使いやすい仕様だ。
専用の「ラウンジ 桜彩」(おうさい)では、本格的な御膳で用意する和朝食が人気。加えてティータイム、ナイトキャップ、カクテルタイムと、和菓子や日本酒などを味わいながらゆっくりとくつろげる。
「日本文化体験を織り交ぜた」サービスは、スタッフ全員で考えたものだという。「細かい内装の造りなどより、ご滞在中の会話や空気や香り、体験した時の“楽しかった”という感情はいつまでも残ると思うのです」と芝田支配人。
「心に残る体験」が日本の美や伝統を、世界の人々に伝える一つの選択肢となりそうだ。
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(10月6日号掲載「品川・高輪のお正月プラン」、10月13日号「品川・高輪のナイトライフ」に続く)
高輪エリアのプリンスホテル
■ザ・プリンス さくらタワー東京 電話・予約:03-5798-1111
https://www.princehotels.co.jp/sakuratower/
■グランドプリンスホテル高輪 電話・予約:03-3447-1111
https://www.princehotels.co.jp/takanawa/
高輪 花香路 https://www.princehotels.co.jp/takanawa/contents/renewal/hanakohro/
■グランドプリンスホテル新高輪 電話・予約:03-3442-1111
https://www.princehotels.co.jp/newtakanawa/
〈3ホテル共通〉
住所:〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1
(2018年9月22日号掲載)