ファーカス、カサロー、レズニック眼科 ケビン・ロージン眼科医に聞く
子どもの成長に合わせて気になるのは“視力”。近年ではパソコンやスマートフォンの普及もあり、子どもの近視は年々増加傾向にあります。近視は進行性のある症状なので、子どものうちから、軽度の近視であっても早いタイミングで治療を開始することにより近視を進行させないことが大切です。その治療として、「オルソケラトロジー治療」という治療方法があります。
長年にわたって、この治療法を取り入れ、多くの成功実績のあるファーカス、カサロー、レズニック眼科のケビン・ロージン眼科医=写真=にお話を伺いました。
子供の近視とは?
子どもが近視になる要因には「遺伝」と「環境」があります。成長に伴って眼球が伸びる際に、伸び過ぎて楕円形になることで網膜上でピントが合わなくなり、強い近視になることがあります。成長期の子どもは眼球の形が変化しやすいため、近視もどんどん進んでしまいます。近視にならないようにするには、この時期の対策が大切です。
オルソケラトロジー治療法について教えてください
オルソラケトロジー(orthokeratology)は、1960年代に米国で取り入れられた歴史が長い治療法です。角膜矯正により視力補正する治療法で、近視を矯正するコンタクトレンズと言えば、分かりやすいでしょうか。一般的な視力補正用のコンタクトレインズではなく、角膜矯正用の特別なコンタクトレンズを寝る前に装用することで、角膜の中央部を平坦化させ、近視を矯正することができます。
この治療を受けるのにベストな年齢は?
視力はおよそ18歳までに完成すると考えられていますが、特に12歳までに眼球の成長が著しい時期に重なります。なるべく早い年齢からこの治療を受けることをお勧めします。年齢が低いほど、近視が進みやすいので、小さい時からこの治療を受けることで、近視の進行を止めることができます。個人差もありますが、1週間で効果の分かる有効で安全な治療法です。レーシックは18歳以上から治療可能ですが、オルソケラトロジーは5歳からでも始めることができます。
寝る前に装用するとは?
オルソケラトロジー治療用のコンタクトレンズを寝る前に装用して、寝ている間に眼の角膜を矯正することができます。日中はレンズをつけなくてもよいので、裸眼でも良好な視界を確保できます。学校生活やスポーツ活動など、子どもたちにとって、メガネをつけるストレスから解放されるので、快適に過ごしているお子さんが多くいます。
オルソケラトロジー治療のメリットは?
最大のメリットは、手術をしないでも、日中、裸眼で過ごせることでしょう。野球や水泳、バレエ、体操など、習い事にも裸眼で行けることは、子供にとってストレスを軽減させることにもつながります。使用を中止すると視力は元の状態に戻りますが、手術を受けることなく日中の視力を回復できる治療です。
ほかの矯正方法との違いは?
子供の場合、コンタクトレンズを装用するのに難しいと思われる保護者の方も多いかと思います。装用するのに慣れてしまえば、寝ている間につけるだけなので、日中は快適に過ごせます。
治療を受けるために通院する必要はありますか?
定期検査を受けることになります。同じコンタクトレンズを数年使い続けられますが、成長とともに眼球にも変化が出るので、それを定期検査によって確認する必要があります。まず始めるに当たり、下図のステップを踏むことになります。
この治療法は米国で始まりましたが、日本でも治療を行っている眼科医はいるので、米国で始めて、帰国後、引き続き治療を持続できます。
◇ ◇ ◇ ◇
ファーカス、カサロー、レズニック眼科(Drs. Farkas, Kassalow, Resnick & Associates)は、1958年の開業時以来、コンタクトレンズのフィッティングの専門医であり、300種類以上のレンズを扱っている。コンタクトレンズ、眼科一般診療、メガネ、予防検査、レーシックを行っている。また、日本人スタッフが常勤していて、予約から診察まで日本語で対応してくれる。
■情報
【マンハッタンオフィス】30 East 60th Street, Suite 201 New York, NY
【電話:日本語専用ライン】212-838-8894
【代表電話】212-355-5145
【Eメール】eyecare.nyc@verizon.net
【ウェブ】eyewise.co/
(2024年1月1日号掲載)