ザン医師、強い情熱を持って取り組む
New Hope Fertility Center、フォーブス誌「最も忙しい不妊治療クリニック」
2016年、米経済誌フォーブスの「最も忙しい不妊治療クリニック」に選ばれたニューホープ・ファーティリティーセンター(New Hope Fertility Center)。代表のジョン・ザン医師は、ミトコンドリアの遺伝子に欠陥が起きる遺伝子病「ミトコンドリア病」を持つ母親の卵子から取り出した核を卵子提供者(ドナー)の卵子に移植する紡錘体(ぼうすいたい)置換法と呼ばれる技術を使い、父親・母親・ドナーの3人からDNAを受け継ぐ健康な赤ちゃんを誕生させることに成功し、2016年秋、大きな話題となった。
ザン医師、3人のDNA持つ赤ちゃんを誕生
夫妻はこの障害が原因で20年の間に4回の流産を経験、子供2人が出産後に死亡していたが、昨年4月に誕生したこの赤ちゃんは現在も健康に成長している。この技術では卵子およびミトコンドリア以外の99%の遺伝子を母親の細胞核から引き継いでおり、ドナーを介しながらも、母親のDNAを99%引き継ぐ形で赤ちゃんが誕生したことでも驚きを集めた。「これまで子供が望めなかった夫婦にも希望が生まれることは本当に素晴らしいこと」と話すザン医師。
卵子の劣化修復などほかの技術にも挑戦
話題となったこの「紡錘体置換法」以外にも、遺伝病などで健康な卵子を作れない母体から取り出した卵子を修復する技術、さまざまな女性の卵子から取り出した情報を組み合わせて新しく卵子を作り出す技術、年齢が進むことによって起こる卵子の劣化を修復する技術などに取り組んでいる。
技術を開発した先には「その技術をより安全でより確実にするための努力が必要で、より安価に治療を受けられるようにしていくことで世の中に技術を広めていく必要もあります。やるべきことはたくさん。とても強い情熱を持って取り組んでいます」(ザン医師)
同センターには日本人のスタッフが勤務。日本語での治療も受けられる。(問い合わせには日本語専用のEメールアドレスを使用)
◎情報
New Hope Fertility Center(ニューホープ・ファーティリティーセンター)
【住所】4 Columbus Circle(corner of W 58th St & 8th Ave)
【電話】212-969-7422
【ウェブ】www.newhopefertility.com
【Eメール】iov@nhfc.com、japanese@nhfc.com
(日本語)
【オフィスアワー】 月―金:午前7時〜午後5時
土―日:午前7時〜午後3時
(2017年3月11日号掲載)