今年も、1200万人の道場生が所属する国際空手道連盟極真会館主催の国際大会が23日、ニューヨークで開催される。「オールアメリカンオープン国際空手道選手権大会2018」は、昨年と同じアッパーウエストにあるジョン・ジェイ・カレッジ内体育館で開催。参加選手は北米だけにとどまらず、日本・欧州・ロシア・南米・オセアニア・アフリカなど世界中から強豪選手が集まり、熱い戦いを繰り広げる。今号では、まずは日本から名乗りを上げる注目の選手について、国際空手道連盟極真会館国際部長でニューヨーク道場の五来克仁師範にお話を伺った。
日本勢の注目選手 ─五来克仁師範が展望
オールラウンドな大澤選手ら出場6人に期待
毎年恒例で23回目となるこの大会には「オールアメリカン」と言えども、北米に限らず世界5大陸全てから選手が集結する大会です。もともとは南米・北米・中米中心の選手たちによって行われるアメリカ大陸の大会として始まりました。現在はアメリカ大陸以外の日本・欧州・ロシア・オセアニア・アフリカからの選手も参加していますので、世界大会の縮小版といった形です。
世界大会は日本で4年に一度開催され、192人が集まります。オールアメリカンはその前哨戦と位置付けられるハイレベルな大会です。その世界大会が、来年19年秋に第12回として開催予定で、3日間にわたって行われ優勝者を決定します。一方でオールアメリカンは一日で行われ、参加選手は多いときは40人前後、少ないときは20人弱のエリート選手が集結。世界大会を集約するような大会として確立されてきました。
オールアメリカンでは、普段はなかなか見られない組み合わせを短時間で観戦できることがポイントです。強豪選手は最終日のみ戦うケースが多い世界大会と違い、ここでは早い段階で手合わせができます。参加選手たちにとっても素晴らしい経験の場になると共に、国際交流の意味合いも含まれています。本年も、日本から成長株の若手強豪選手たちの経験の場として、男子4人、女子2人の選手がエントリーしています。
各地の選手の特徴
欧州では数多くの国が存在するため、良い意味で選手の国間のライバル意識が高いことが特長です。5月19、20日にブルガリアのバルナで行われたヨーロッパ選手権では、少年や壮年を含め600人以上の選手が参加しました。
国が大きなロシアでは、全土に道場生が6〜7万人と極真空手は大変盛んです。多くの選手たちが互いに切磋琢磨できる環境にあるので、選手層のすそ野も広い分、強い選手が育ちます。
南米は一時期、オールアメリカン大会でブラジル勢が常に上位を占める時代が長く続きました。ここ数年は、ブラジル以外にもボリビア、アルゼンチン、コロンビアなど他の南米諸国が大会への参加を見せています。今回もボリビアの選手が多数参加し成長が期待されます。
そのほか、アフリカ、オーストラリアなどからの選手も出場しますので、国際色豊かな大会になるでしょう。
男子4人、女子2人がエントリー
日本勢の注目選手の1人目は、大澤佳心選手です。昨年4月に東京で行われた全世界ウエイト制選手権の中量級で優勝しています。今年4月の全日本ウエイト制では、体重を上げて軽重量級に挑戦して3位に止まりましたが、オープンでの活躍が期待される、スピードが速くオールラウンドな選手です。
2人目は、石塚悠太郎選手。彼は21歳という若手の軽重量級選手です。昨年の全日本ウエイト制軽重量級で準優勝し、今年4月の全日本ウエイト制では大澤選手に次ぐ4位入賞。バランスの良い選手です。
3人目は、南原健太選手。186センチ、97キロの20歳の大型若手で、少年の時から国際少年大会などで活躍して、将来有望視されてきた選手です。今年4月の全日本ウエイト制の重量級で準優勝して勢いに乗っています。まだまだ粗削りですが、オープンでの活躍を期待したい選手です。
4人目は、徳田寛大選手。昨年、今年ともに全日本ウエイト制重量級4位に入賞しています。
女子では、昨年の全日本女子ウエイト制軽量級で優勝、今年の世界女子ウエイト制軽量級で優勝している佐藤七海選手、昨年の全日本ウエイト制重量級で優勝している小田幸奈が名乗りを上げています。
次号では、優勝候補の海外勢を紹介します。
国際空手道連盟極真会館オールアメリカンオープン空手道選手権大会2018
【日時】6月23日(土)午後3時30分~(開場:午後3時)
【会場】ジョン・ジェイ・カレッジ内体育館
【場所】524 W 59th St(bet 10th and 11th Ave), NYC
【チケット】一般30ドル(当日35ドル)、リングサイド席(2列目)60ドル、VIPリングサイド席(1列目)75ドル(いずれもサービス料別)
【チケットサイト】https://www.brownpapertickets.com/event/3447175
【問い合わせ】212-947-3334、www.kkny.net
(2018年6月2日号掲載)